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コラム: 2024年1月の移籍市場でのユベントスは「年俸」は工面できたとしても「年間の減価償却費」が足枷に

 2024年1月の移籍市場が近づきつつある中、各メディアがユベントスの補強戦略を報じつつあります。ただ、ユベントスが即戦力選手を補強する可能性でさえ高くはないでしょう。

 「年俸面」で帳尻を合わせることができたとしても、新たなに必要となる「年間の減価償却費」を工面することは困難と考えられるからです。

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チーム総年俸は「ポグバ次第」で帳尻を合わせられる

 ユベントスは『2022/23 シーズンのチーム人件費(≒ 選手年俸)』を「前年度比 -18%」と圧縮。2億5540万ユーロを計上しました。

 今季(= 2023/24 シーズン)は「チーム人件費を昨季よりもさらに圧縮」を続けており、2期連続で「前年度比 -20%」が起こり得ると思われます。

 経営再建に舵を切ったことが窺い知れる状況下で「選手の新規獲得」は困難を極めます。

 しかし、ユベントスはポグバ選手がドーピング陽性問題で暫定的な出場停止処分下に置かれており、契約解除に踏み切ることで「ポグバ選手の年俸分」を『他の選手』に回すことが理論的に可能です。

 これが「デ・パウル選手などの年俸を拠出することは可能」と一部マスコミが主張する根拠になっているのでしょう。

 

クラブが負担している減価償却費は「ポグバだけ」ではどうにもならない

 忘れてはならないのはサッカークラブの主要事業費は「選手への年俸」だけではなく「選手獲得に費やした移籍金の償却」も存在していることです。

 ユベントスは 2022/23 シーズンに『減価償却費』として約1億6000万ユーロを計上しましたが、“フリーで加入した” ポグバ選手の移籍金はゼロ。代理人への手数料だけで償却費はクラブの重荷にはなっていません。

表: 高額な減価償却費を要するユベントスが保有権を持つ選手
Po 選手名 Age 契約 減価償却費
22/23 23/24
FW ヴラホヴィッチ 23 '26年夏 €18.4m €18.4m
MF アルトゥール 27 '26年夏 €16.3m €10.9m
FW キエーザ 26 '25年夏 €13.3m €13.3m
DF ボヌッチ 36 退団 €5.6m
(+€5.6m)
X
FW ケーン 23 '25年夏 €9.6m €9.6m
DF ブレメル 26 '27年夏 €8.7m €8.7m
FW クルゼフスキ 23 移籍 €6.5m X
DF ダニーロ 32 '25年夏 €6.1m €4.6m
MF ロカテッリ 25 '28年夏 €6m €3.6m
MF マッケニー 25 '25年夏 €5m €5m
MF ロヴェッラ 21 '26年夏 €4.6m €4.6m
DF ペッレグリーニ 24 '25年夏 €3.3m €3.3m
【減価償却費の合計値】 €103.4m
(+€5.6m)
€82.1m

 選手を完全移籍で獲得するとクラブ会計では『減価償却費』が発生してしまいます。

 だから、2024年1月の移籍市場での選手獲得の要件が「(ドーピング問題でのポグバ選手に対する処分に関係なく『減価償却費』の発生しない)期限付き移籍」にならざるを得ないのです。

 

 登録枠・チーム総年俸・チーム減価償却費の3点は “同時に” 満たすことが重要ですし、今のユベントスに「どれか1つの項目で超過を容認する経営的な余裕」は残念ながら存在しません。

 したがって、2023年夏の移籍市場と同様に「一部マスコミがユベントスの補強候補を煽る報道」だけで流れる形になると思われます。