『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によりますと、ユベントスが今夏で現行契約が満了するラビオ選手に1年契約を提示して引き留めを狙っているとのことです。両者にメリットがあるため、選手側の価値観次第と言えるでしょう。
『ユベントスとの1年の契約延長交渉』はラビオ選手側にとって「ユベントスで得ている現在の待遇よりも良いか」と交渉相手に問い質すカードになります。
ラビオ選手の獲得に熱心なクラブが1つだけだと交渉時に足元を見られますが、ユベントスが契約延長のオファーを出しているなら争奪戦になるからです。
ユベントスと1年の契約延長なら、1年後には 2023/24 シーズンのユベントスのチーム成績を見た上で “フリーで” 移籍市場に出る選択肢を持つことになるのです。現時点でユベントスからのオファーを門前払いにするメリットはラビオ選手側にはないでしょう。
一方、事業費(≒人件費)の圧縮が不可避のユベントスがラビオ選手を例外扱いする理由は「人件費1000万ユーロ強で中盤 MF のポジションをフォーメーションに関係なく1つ埋めることができる」からです。
- 選手に要する年間の人件費 = A+B
- 年俸: 税金を含めると手取り額の約2倍
- 減価償却費: 移籍金を契約年数で割った額
例えば、サッスオーロからフラッテージ選手を移籍金3500万ユーロの5年契約で獲得すると年間の減価償却費は700万ユーロ。“税込みの年俸” を300万ユーロ強で合意できないと「ラビオ選手よりも人件費がかかる」という事態になるのです。
だから、ユベントスはラビオ選手との1年契約で2024年夏まで乗り切ろうとしているのでしょう。
ポグバ選手の稼働状況が 2023/24 シーズンも芳しくないなら、契約解除に踏み切った上で “2024年夏までの現行契約を持つミリンコヴィッチ=サヴィッチ選手” の獲得に乗り出すなどの手を打てるからです。
2023/24 シーズンにどのチームでプレーするかはラビオ選手側に決定権がありますし、選手側が何を重要視するかで去就が変わってくるでしょう。ラビオ選手側がどのような決断を下すのかに注目です。