『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が “ユベントスが(2023/24 シーズン中に)契約延長交渉に動くと目される選手” をリストアップして記事にしていましたので、クラブから見たの目的ごとに分類して紹介したいと思います。
目的1:昇給を含めた契約延長
一般的に「契約延長」と聞いてイメージされる形の契約延長交渉が行われるのはラビオ、ガッティ、イリングの3選手でしょう。
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ラビオ | 年俸 | €7m | ||
ガッティ | 年俸 | €1m | €1m | €1m |
償却費 | €1.3m | €1.3m | €1.3m | |
イリング | 年俸 | €1m | €1m |
ラビオ選手との契約は2024年夏まで。来季以降も残留してほしい選手ですが、ユベントスが提示する条件で納得してくれる保証はありません。
それでも『副主将(=次期主将)就任』や『(ポグバ選手の減給による)チーム最高給』などクラブとして最大限の誠意を示した引き止めを図るだけの価値はあるでしょう。
ガッティ選手とイリング選手の2人は「他クラブからの引き抜きに抗うための昇給と出場機会」を提示する必要がある選手です。
戦力として計算している選手が「プレミアリーグのボトムハーフ勢が簡単に引き抜ける年俸水準」だと移籍市場が開く度に戦力ダウンに見舞われるリスクにさらされることになるため、それを避けるための交渉は必要と言えるでしょう。
目的2:年俸の引き下げ
次に、“チームから必要な戦力としてカウントされているものの現在の年俸水準だと費用対効果が見合わない選手” は「年俸額の引き下げ+契約期間の延長」を目的とした交渉が行われることになります。
23/24 | 24/25 | 25/26 | ||
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シュチェスニー | 年俸 | €6.5m | €6.5m | |
償却費 | €1.4m | €1.4m | ||
ルガーニ | 年俸 | €3.5m | ||
ポグバ | 年俸 | €8m | €8m | €8m |
この代表例がシュチェスニー選手とルガーニ選手です。
- ユベントスが提示する可能性のある契約延長オファー
- シュチェスニー(33): 年俸500万ユーロ弱+2026年夏まで
- ルガーニ(28): 年俸200万ユーロ弱+2026年夏まで
両選手ともに費用対効果が(今のユベントスに)ネックとなっており、上述の条件で納得するのであれば契約延長となるでしょう。難色を示す場合は両選手ともに2024年夏の移籍市場でチームを離れることになることが既定路線と思われます。
また、ポグバ選手は「単純な年俸引き下げ」が不可避になっている選手です。ポグバ選手には「『契約延長は抜きの年俸引き下げ交渉』が行われる見込み」と言えるでしょう。
目的3:年間減価償却費を引き下げ
最後は「獲得した移籍金に費やしている年間の減価償却費を引き下げが主目的の契約延長交渉」です。
23/24 | 24/25 | 25/26 | ||
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ヴラホヴィッチ | 年俸 | €7m | €7m | €7m |
償却費 | €18.4m | €18.4m | €18.4m | |
キエーザ | 年俸 | €5m | €5m | |
償却費 | €13.3m | €13.3m | ||
ケーン | 年俸 | €3m | €3m | |
償却費 | €9.6m | €9.6m |
ユベントスでは多額の移籍を費やしたヴラホヴィッチ、キエーザ、ケーンの3選手が現時点での対象者となっています。
いずれの選手もクラブ側が昇給を打診する必要性が乏しく、選手側が「契約延長の受け入れ条件にどれだけの待遇改善を要求するか」が交渉妥結のポイントでしょう。
『ラビオ選手の年俸を上回る額』を要求すれば、交渉はかなりの確率で決裂するでしょう。この場合は「プレミアリーグかサウジリーグに移籍すべき」と袂を分かつことができるかが鍵になると思われます。