『コリエレ・デッロ・スポルト』によりますと、スーレ選手を高値で売却したいユベントスが「適正額の移籍金でプレミアに移籍するか Next Gen に留まるかのどちらかだ」と迫ったとのことです。
水面下での交渉の際に “その手” の揺さぶりは起こり得ますが、実際の行動に打って出ることは不可能と言わざるを得ないでしょう。
ユベントスは2024年夏の移籍市場で「スーレ選手は売却可能」と見なしており、3000万ユーロ超の移籍金で売却を容認すると見られています。
その額に近いオファーを提示しているのはプレミアリーグのレスター・シティ。しかし、スーレ選手が複数のオファーの中から “意中の移籍先” に選択したのはローマ。
慣れ親しんだセリエAでの経験を活かせる上、ディバラやパレデスなどアルゼンチン人選手が主力選手として在籍していることが理由です。
ただし、ローマの移籍金提示額はユベントスの要求する3000万ユーロには達していません。これが「ユベントスがスーレ選手のローマ移籍を好まない最大の理由」でしょう。
クラブが「プレミアに移籍するか Next Gen に留まるかだ」と “恫喝” することは交渉時では珍しくありません。2024年1月時点でなら、問題にならないでしょう。
ところが、2024年夏だと “その発言” は脅しにすらなりません。
実はBチームには「トップカテゴリー(≒セリエA)の公式戦50試合以上の出場歴を持つ選手は出場不可」という規定があり、“セリエAで51試合の出場記録を持つスーレ選手” は「Bチームの公式戦に出場する資格を喪失」したのです。
したがって、スーレ選手をBチームに送ってしまうと『言い訳のできない飼い殺し状態』となるため、選手協会を筆頭に各所からの批判を受けることになるでしょう。
「総合的(または戦術的)な判断」という “お決まりの弁明” すら使えないからです。
ユベントスが「是が非でもスーレ選手を希望額で売却する」との方針を固めているのであれば、スーレ選手を『ドイツでのプレシーズン・キャンプ』に招集することは見送っているはずだからです。
“その立場” に置かれているのはハイセン選手の方でしょう。若手有望株の去就がどのような結末を迎えるのかに注目です。