『カルチョ・エ・フィナンツァ』によりますと、レガ・セリエAが「2024/25 シーズン以降のイタリア国内向けセリエA放映権」の入札を募ったもののリーグ機構側の希望額を満たす応札はなかったとのことです。厳しい現実が突き付けられたと言わざるを得ないでしょう。
過去記事でも触れましたが、セリエAのイタリア国内向け放映権料は年間10億ユーロ弱。リーグ機構側は「年間11億5000万ユーロ以上」の落札を期待していたものの、希望額を上回る応札をした放送・通信事業者は現れませんでした。
セリエA | プレミアリーグ | |||
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国内 | 国外 | 国内 | 国外 | |
21/22 | 30億ユーロ | 6.7億ユーロ | ー | |
22/23 | 60億ユーロ | 60億ユーロ | ||
23/24 | ||||
24/25 | 新契約 |
それもそのはずで「現行の放映権料ですら割高」と見なされているからです。
“何が法律的に問題だったのかを具体的に示せなかったキャピタルゲイン疑惑” で「リーグ機構側が恣意的に順位を変更できること」は『合法』とスポーツ司法がお墨付きを与えたのです。
その業界に「恣意的な介入による順位変動が起きない前提で投資をすること」はまずないでしょう。だから、どの事業者もリーグ機構側の足元を見た対応をしているのです。
今後はナポリのデ・ラウレンティス会長やラツィオのロティート会長らが “リーグ機構側の人間” として「Dazn、スカイ、メディアセットの3社とパッケージ交渉で年間9億ユーロ強の放映権料を目指す」とのこと。
ただ、その目標を達成することも簡単ではありません。
セリエAの『コンテンツとしての魅力度』がロナウドが在籍していた前回契約時と比較して下がっていることは事実でしょう。また、リーグ機構側が順位を変動させると「大一番」や「人気チーム」が “キラー・コンテンツ” ではなくなってしまいます。
これらのネガティブ要素を払拭するのは現行体制では難しいと思われるため、セリエAでの放映権バブルが弾ける可能性は十分にあるでしょう。
ヨーロッパのクラブチームにとっての主要収入源である国内放映権がイタリアでどのような額になるのかに注目です。