『カルチョ・エ・フィナンツァ』によりますと、リーグ機構と放送・配信事業者間で交渉が続いているイタリア国内向けセリエA放映権料が年8億7000万ユーロほどの打診に留まっているとのことです。
来月に行われるレガ・セリエAの会合で「事業者側から提示された額で受け入れるのか」の採決が行われる予定ですが、各クラブともに財布の紐を締めることは確実と言えるでしょう。
イタリアでは『イタリア国内向けセリエA放映権の現行契約』が 2023/24 シーズンで満了するため、2024/25 シーズン以降の新契約締結に向けた交渉がレガ・セリエAと放送・配信を希望する事業者の間で行われています。
セリエA | プレミアリーグ | |||
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国内 | 国外 | 国内 | 国外 | |
21/22 | 30億ユーロ | 6.7億ユーロ | ー | |
22/23 | 60億ユーロ | 60億ユーロ | ||
23/24 | ||||
24/25 | 新契約 |
現行水準(=年10億ユーロ弱)からの引き上げを希望するリーグ機構側に対し、『前契約』と『現契約』で煮え湯を飲まされた事業者側は現行水準を下回る放映権料を提示。両者間での交渉が続けられています。
- 2023年9月上旬での提示額: 年8億7000万ユーロ
- Dazn Italia: 7億ユーロ
- Sky Italia: 1億〜1億1000万ユーロ
- Mediaset: 6000万ユーロ
事業者側が提示した『2024/25 シーズン以降のイタリア国内向けセリエA放映権料』は3社の総額で年8億7000万ユーロ。現行水準よりも約 15% のマイナスです。
「この提示を容認するか」が2023年10月に予定されているレガ・セリエAでの主要議題となるでしょう。
レガ・セリエAに所属する各クラブに提示された選択肢は以下の3つと見られています。
- 事業者側の提示(年8億7000万ユーロ)を容認
- 放送通信分野の監督機関(Agcom)に免除を要求して事業者との交渉を継続
- レガ・セリエAが管轄する独自チャンネルで配信
ナポリのデ・ラウレンティス会長は『独自チャンネルでの配信』をプッシュしていますが、デ・ラウレンティス会長が映画配給会社のトップであることは無視できません。
クラブ間での利害は一致しにくいため、簡単には決まらないでしょう。
サッカー界ではイングランドのプレミアリーグが一人勝ちの状況となっている中でイタリア・サッカー界がどのような施策で魅力度を高めて放映権料に反映させるのかに注目です。