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Caso Pogba: ポグバがドーピング問題で『司法取引による和解』ではなく『徹底抗戦』を選択した訳

 テストステロンの項目で異常値を示したことで暫定的な出場停止処分下にあるポグバ選手が『当局との司法取引による和解』ではなく『徹底抗戦』を選択したことが一部の記者から疑問に思われています。

 その理由について言及することにしましょう。

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司法取引を行う上での問題点

 イタリアでは『司法取引』が制度として確立されていますが、問題点は存在します。その1つが「当局側が主張する量刑を受け入れることが前提」であることです。

 “当時の恋人へのドーピング検査に非協力的” だった元フィギュアスケーターのカロリーナ・コストナーの事例は以下のとおりです。

  • CONI がコストナーに対する『4年3ヶ月の出場停止』をアンチドーピング裁判所で求刑
    1. 当局との司法取引による和解
      • 求刑の半分に減刑が可能
        → 『約2年(=24ヶ月)の出場停止』が有力
      • CAS (スポーツ仲裁裁判所)への上訴は不可
    2. 徹底抗戦
      • アンチドーピング裁判所の判決次第
        → 『16ヶ月の出場停止』の判決
      • コストナーは CAS (スポーツ仲裁裁判所)に控訴
        → 『21ヶ月の出場停止』の判決

 CAS の判決で「出場停止処分は5ヶ月重くなった」のですが、「処分開始日が前倒し」されたことで「処分が解除される日は当初の判決よりも早くなった」という結末になりました。

 このような事実がある訳です。当局側が『妥当な求刑』をしていないのであれば、アスリート側が『徹底抗戦』を選択することは驚きではないでしょう。

 

「ドーピングによる処分確定=ユベントスが契約解除に踏み切る根拠を取得」という構図

 次に、ドーピングによる出場停止処分が “正式に” 確定してしまうとクラブ側は暫定的な出場停止処分中から可能だった「現行契約で保証された年俸の支払い拒否」に加えて「一方的な現行契約の解除」も可能になります。

 これはポグバ選手にとっての『最悪のシナリオ』でしょう。

  • ポグバ選手が『司法取引による和解』を選択した場合
    • “4年間の出場停止処分を求める当局” との司法取引なので「2年間(=2025年夏頃まで)の出場停止」が有力
    • ユベントスとはチーム最高給で『2026年夏までの4年契約』を締結中
      • 1年目: 負傷離脱でほとんど稼働できず
      • 2年目・3年目: ドーピング問題による出場停止が確定
    • ユベントスは『選手との現行契約を一方的に解除する権利』を取得

 ユベントスが「『ドーピングによる出場停止処分を理由に年俸の支払いを拒絶』した上で『成長令の適用対象となる2024年6月30日付での現行契約の解除』」に踏み切る方針であることは明らかです。

 ユベントスの方針が変わるのは「ポグバ選手が 2023/24 シーズンに出場停止処分を消化して公式戦に復帰できる場合のみ」でしょう。それ以外のケースではポグバ選手の現行契約を解消しないとチーム内の年俸規律が再び崩れてしまうからです。

 

 『ドーピングによる4年間の資格停止処分』は「故意の確信犯」に科されるものです。「過失」と認識するアスリート側が容認できる量刑ではないため、『司法取引』の交渉が決裂するのは必然と言えるでしょう。

 まずはイタリア国内での1審判決がどうなるのかに注目です。