『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などイタリアの各メディアが「2024年1月18日に実施予定だったポグバ選手のドーピング陽性をめぐる公聴会が選手側の弁護団からの延期要請が受理されたことで延期となった」と報じています。
ポグバ選手は「最短でも2024年2月中旬までの離脱が確定」することになったため、ユベントスは「2024年1月の移籍市場でどう立ち回るか」の方針を見直す必要が生じたと言わざるを得ないでしょう。
ポグバ選手は2023年8月20日のセリエA第1節ウディネーゼ戦で採取されたサンプルから「テストステロンの項目で異常値が検出」されたことで同年9月11日付で “暫定的な” 出場停止処分が科されています。
その後はB検体からも陽性となり、当局との『司法取引による和解』が合意に達しなかったため、現在は『イタリアの反ドーピング裁判所の裁定待ち』という状況です。
- アンチドーピング機関から処分内容が正式決定
イタリア当局との司法取引:処分は軽減されるが控訴不可- 法廷闘争:処分の重さは通常だが控訴可能
- 「CONI のアンチドーピング検事局が4年間の出場停止を求刑」と報道(2023年12月7日)
- 2024年1月18日に公聴会の予定
- ポグバ側の弁護団からの要求が認められ、2024年2月中旬以降に公聴会が延期
- 処分不服の場合は CAS (スポーツ仲裁裁判所)に上訴
12月上旬に検察側が「4年間の資格停止処分」を要求すると報道され、公聴会は2024年1月18日に実施予定と報道されていました。
公聴会の実施日に対し、ポグバ選手の弁護側が「延期」を要求。これを反ドーピング裁判所が容認したことで「少なくとも1ヶ月の先送り」が決定しました。新たな日程は現時点で未定となっています。
一方でユベントスは戦略の見直しが必要な状況です。
新スケジュールでは『ポグバ選手に対する “イタリア国内での” 処分内容』が2024年1月の移籍市場が閉まった2024年2月中旬まで確定することはありません。これは補強戦略に少なからず影響を及ぼすでしょう。
選手側には『CAS (スポーツ仲裁裁判所)への上訴』の選択肢がありますが、『控訴審で下される判決』と『イタリア国内でのドーピング問題への判決』の間に大きな差はないはずです。
つまり、旧スケジュールだとユベントスは「『ポグバ選手のドーピング問題への1審判決』を “精査した上” で2024年1月の移籍市場での選手補強に乗り出せる」という立ち位置だったのです。
それが新スケジュールでは不可能となりました。「ポグバ選手を取り巻く状況が不鮮明なまま」という不確定要素が確定してしまったことは経営陣にとって歓迎できることではないでしょう。
ただ、ユベントスがポグバ選手の年俸に対する『成長令に基づく税制優遇』を得るには「2024年6月30日まで契約状態にあること」が前提です。
したがって、ユベントスがポグバ選手との契約解除に踏み切る(計画を準備している)場合は「結論が先送りになること」によるマイナス面は限定的と言えるでしょう。
どのような結末が待ち構えているのかに注目です。