2023年8月20日に採取された検体からドーピング陽性を示したポグバ選手の現状をまとめました。2023年10月11日の時点で「無期限出場停止処分を “暫定的に” 科されている状態」であり、正式な処分内容を待っている段階にあります。
時系列
ポグバ選手に関するドーピング陽性問題の時系列は以下のとおりです。
- 『A検体』の検査結果は?
- 対象: 8月20日に採取された検体
- 『テストステロン』の項目で異常値を検出
- 9月11日付で暫定的な出場停止処分が科される
- 『B検体』の検査結果は?
- 10月5日に再検査
- 『テストステロン』ではなく『DHEA』の項目が異常値
- ステロイドの一種
- アメリカでは『DHEA サプリメント』が販売されている
- IOC は『DHEA』をドーピング薬物に指定
- 暫定的な出場停止処分は継続中
- 陽性反応を示したアスリートからの弁明は?
- 再検査から7日以内の異議申し立ては可能
- アンチドーピング機関から処分内容が正式決定
- 処分不服の場合は CAS (スポーツ仲裁裁判所)に上訴
現状は「ポグバ選手側からの弁明を当局が待っている状態」です。ポグバ選手側からの弁明を加味した上で “正式な” 処分が決定するため、クラブ側が動きたくても動けないのです。
したがって、まずはイタリアのアンチドーピング機関からの正式な処分が出るのを待つことになるはずです。
Q. ユベントスがポグバ選手との契約解除するとの噂はどうなったの?
ドーピング陽性が確定した(=アンチドーピング機関から正式な出場停止処分が科された)場合、ユベントスはポグバ選手との現行契約を解除する権利を手にします。
現状は「アンチドーピング機関が正式処分を下すための選手側からの弁明を待っている状態」です。処分が “正式に” 確定しない限りはユベントスに契約解除の権利は発生しません。
また、処分の内容が「契約解除に踏み切るべきかの微妙なライン」になる可能性もあります。
契約解除に踏み切る準備はしていると思われますが、契約解除に踏み切るかは今後の展開次第であり、「先行きは誰にも分からない」と言わざるを得ないでしょう。
Q. 年俸の大幅減額については?
これは「クラブは出場停止処分が科された所属選手に対して最低保証年俸の支払い義務を負う」との労使協定に由来するものです。
ポグバ選手は2023年9月11日からドーピング陽性による出場停止処分中であり、ユベントスは「2023年10月分の給与は『労使協定で保証された最低保証年俸額の1ヶ月分』に留める」との “実力行使” が可能です。
おそらく、そのような通知がポグバ選手の所に行ったのでしょう。
「負傷による長期離脱」と「出場停止処分による長期離脱」では意味が違ってくるため、高給を得ている選手ほど「年俸の月額支払い分の削減」は止むを得ないと思われます。
Q. 出場停止処分期間はどうなりそうか?
ポグバ選手への正式処分は「『B検体』で異常値の示した(とされる)『DHEA』がどう評価されるか次第」でしょう。
- 『DHEA サプリメント』を摂取
- IOC が DHEA を禁止薬物に指定しているので処分は重め
- 「アスリートに落ち度あり」と見なされる可能性大
- 『DHEA が成分に含まれていないサプリメント』を摂取
- “コンタミ” を主張することが可能
- 主張が認められれば、処分は軽めになる
メディアで報じられている『最長4年の出場停止処分』は「禁止薬物を意図的に摂取した場合」に科されるものです。したがって、そこまで処分は重くならないはずです。
ただ、ポグバ選手が摂取したとされるサプリメントの内容成分によっては弁明に関係なく「1年前後の出場停止処分」が科されることもあり得るでしょう。
アンチドーピング機関がポグバ選手に対してどのような処分を正式に下すのか。また、その処分内容を知ったユベントスがポグバ選手の処遇をどうするのかなどの続報に注目です。