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ジュントリ FD が「アッレグリ監督とは契約延長を前提とした話し合いをシーズン後に行う」との発言を残した事情

 現地2月12日(月)に行われた 2023/24 セリエA第24節ウディネーゼ戦の試合前にユベントスのジュントリ FD が「アッレグリとの契約は維持したいと考えている」と『スカイ・イタリア』に言及しました。

 この発言の背景にある事情について言及することにしましょう。

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 ユベントスが財政的に苦しいのはヴラホヴィッチ選手とキエーザ選手の2人に「『年間の人件費(=年俸+年俸にかかる所得税+減価償却費)』で約5500万ユーロを費やしているから」です。

 これは『年間人件費』と『市場価格』の関係性を図示すると一目瞭然です。

 ジュントリ FD は2023年夏に “年間人件費が800万ユーロ弱であるコスティッチ選手とマッケニー選手” を「年俸面での費用対効果が芳しくない」との理由で放出に動く一方で、ヴラホヴィッチ選手とキエーザ選手に費やしている人件費は “手付かず” でした。

 ヴラホヴィッチ選手やキエーザ選手への人件費を『現状維持』にしてしまうと、両選手以外を担当する代理人から「私のクライアントも『彼らへの年俸査定方法』に基づく水準への待遇改善が不可欠」と要求されてしまいます。

 契約延長交渉が不調で時間切れになって困るのは「財政的な余裕が少ないユベントス」です。だから、アッレグリ監督との契約を維持する方向でフロント陣が動いているのでしょう。

 

 要するに、現在のユベントスに「2024年夏に監督交代を敢行するための(リソース的な面を含めた)余裕はない」のです。

 クラブは「ラビオ選手やマッケニー選手など中盤 MF の主力選手の引き留め」や「スーレ選手やユルディズ選手など FW 陣の若手有望株との昇給を含めた契約延長交渉」に尽力しなければなりません。

 そこに「監督交代による『新監督の指名』および『新戦力の獲得』」を追加タスクとして加えることは得策ではないですし、予算的にも無理があるでしょう。

 それなら、2026年夏まで『(フロント陣の方針に公然と異を唱えない)アッレグリ監督を続投』する方が得策です。ヴラホヴィッチ選手やキエーザ選手に居座られて補強が満足にできなくても、帳尻を合わせてくれる稀有な指揮官だからです。

 

 親会社からの至上命令は「持続可能な経営」です。“年間2000万ユーロ超の人件費が何年も費やされている選手” の成長を今後も待ち続けることは困難ですし、この現実を踏まえた経営的判断が下されることになるでしょう。

 ユベントスが望む形での契約延長は起こりにくい状況となっているだけに、まずはきっかけとなる動きがあるのかに注目です。