2022/23 シーズンのセリエAが残り1試合となったことで来季の監督人事も報じられ始めています。今夏は2年前と同様に上位勢での監督交代が活発になる可能性があると言えるでしょう。
2023年5月30日時点でのセリエA上位勢の監督および各チームを取り巻く環境は以下のとおりです。
クラブ | 監督 | 備考 |
---|---|---|
ユベントス | アッレグリ | '25年夏までの契約を有するも… |
ナポリ | (空席) | スパレッティ監督が契約を1年残す形で退任。後任が必須 |
ラツィオ | サッリ | '25年夏までの現行契約 |
インテル | インザーギ | '24年夏で満了する現行契約の延長交渉へ |
ミラン | ピオーリ | '25年夏までの現行契約 |
アタランタ | ガスペリーニ | '24年夏までの現行契約。解任の可能性あり |
ローマ | モウリーニョ | '24年夏までの現行契約。退任の可能性あり |
トリノ | ユリッチ | '24年夏までの現行契約。昨夏に補強をめぐって SD と殴り合い |
フィオレンティーナ | イタリアーノ | '24年夏までの現行契約。ナポリの新監督としての噂 |
モンツァ | パッラティーノ | 今夏で現行契約が満了 |
ボローニャ | モッタ | '24年夏までの現行契約。ナポリの新監督としての噂 |
まず、スクデットを獲得したナポリはデ・ラウレンティス会長が「スパレッティ監督との契約の1年延長オプションを行使」したのですが、スパレッティ監督が『退任』を申し出たことで後任監督が必要となりました。
イタリア国内から後任を指名する場合は “ナポリと同じ4バック” で結果を残しているイタリアーノ監督(フィオレンティーナ)とティアゴ・モッタ監督(ボローニャ)が候補になるでしょう。
本命は UEFA のコンペティションとの掛け持ちで結果を出しているイタリアーノ監督。イタリア国外から招聘する場合はルイス・エンリケ監督などがターゲットになると思われます。
また、今夏はヨーロッパリーグの出場権を狙うアタランタ、ローマ、トリノの3チームが “各々の理由” で現監督との関係にピリオドを打つ可能性があります。
これらのチームはパッラディーノ監督(モンツァ)を後任に据えようとするでしょう。いずれのチームも「パッラディーノ監督が結果を出した3バックで戦っているチーム」だからです。
モンツァはパッラディーノ監督の引き止めに全力を上げていますが、上述した3チームの方が「(今夏の移籍市場を終えた後でも)選手層が整っている状況」であることは確実です。
したがって、パッラディーノ監督の引き止めが上手く行かない場合に備えておくことが必要になるでしょう。
ユベントスの監督人事は「親会社 Exor が求める優先順位次第」です。“無課金勢のティフォージやメディア” が期待する『知名度の高い新監督』を招聘する合理性はないため、シビアな判断を下せるかが鍵になると思われます。