『コリエレ・デッロ・スポルト』が「クラブに今夏での移籍希望を伝えた」と報じたことでティフォージとの関係が拗れたナポリのディ・ロレンツォ選手に(ジュントリ FD が選手や代理人と良好な関係にある)ユベントスが関心を示しているとのことです。
移籍が実現するかはナポリ側の出方次第でしょう。
ディ・ロレンツォ選手を巡る騒動の時系列は以下のとおりです。
- 監督と FD が交代した『前年度王者のナポリ』は大苦戦
- “主将の” ディ・ロレンツォも批判を浴びる
- マンナ次期 SD との面談時に「クラブからの信頼を感じられない場合は移籍したい」と通達
- CdS が「ディ・ロレンツォが移籍希望をクラブに告げる」と5月24日付で報道
- 26日の最終節レッチェ戦が途中交代で下がる際にティフォージからブーイングを浴びる
- ディ・ロレンツォの代理人が報道内容のフォローを行う
スパレッティ監督とジュントリ SD が退団して『新生ナポリ』となった 2023/24 シーズンのチームは大苦戦。主将のディ・ロレンツォ選手 “も” 不振の槍玉に上げられました。
ただ、このこと自体は珍しくありません。ビッグクラブを含む過渡期を迎えたチームでは起こり得ることだからです。
話が拗れたのはコリエレ紙が「(ディ・ロレンツォの去就が)どのような結末となっても彼は功労者としてスタンディング・オベーションを受けるだろう」と書いてからです。
ディ・ロレンツォ選手の行為はティフォージには「苦境のチームを見捨てて自分だけ逃げようとしている」にしか映りません。選手とウルトラスの関係が急激に悪化するのは必然でしょう。
ディ・ロレンツォ選手が移籍市場に出ているのであれば、“ディ・ロレンツォ選手をエンポリからナポリに引き抜いたジュントリ FD がいるユベントス” も有力な移籍先となります。
ナポリは『1993年8月生まれの30歳で残り4年の現行契約を残す右 SB を引き抜くに相応しい移籍金』が提示されれば、移籍を拒むことはないでしょう。最後の売り時を逃すことはナンセンスだからです。
ディ・ロレンツォ選手の件に対して『最も強いカード』を持っているのは “残り4年の現行契約を締結中のナポリ” です。選手が移籍を強く熱望しても移籍金を用立てるクラブが現れなければ、移籍が成立することはないからです。
ユベントスの場合は『キエーザとディ・ロレンツォの交換トレード』が選択肢として存在はするため、ナポリでの騒動がユベントスの補強戦略に影響を及ぼすのかにも注意が必要です。