2022/23 シーズン前半戦は “ボロボロ” のチーム状態だったユベントスですが、若手有望株の台頭などで立て直しに成功したと言えるでしょう。Bチームの位置付けが必然的に変化しており、そのことを整理したいと思います。
「トップチーム昇格の道筋が新たにできたこと」が最大の変化
Bチーム(= Next Gen)を取り巻く環境は 2022/23 シーズンに変化がありました。具体的には「Bチームからトップチームに昇格する道筋ができたこと」です。
ユベントスがBチームを発足させた当初の目的は「セリエAのスモールクラブやセリエBのクラブに挑戦するための足がかり」でした。
そのキャリアを描いた代表例がファジョーリ選手であり、今季はデ・ウィンテル選手やドラグシン選手が武者修行に出ています。
ところが、2022/23 シーズンの前半戦でトップチームは予想以上の怪我人が続出。『苦肉の策』でBチームから若手選手を引き上げて起用したところ、首脳陣の期待を上回るパフォーマンスを披露したことで風向きが変わりました。
トップチームで “ある程度の貢献が計算できる選手” の起用に消極的になる必要はない
Bチームには「トップチームでの活躍が期待される若手有望株」が多数在籍しているのですが、その中に「トップチームである程度の貢献が計算できる選手」が含まれていることが今季前半戦に判明したのです。
これはクラブが補強戦力を含めた方針を是正する大きな理由になります。
Bチーム所属の若手有望株が「ある程度の貢献が計算できる」と “トップチームで” 示すほど選手の価値は高まります。
選手はクラブから好条件の契約を引き出しやすくなります。クラブ側は「プレーによる貢献」だけでなく「退団時の移籍金」や「育成の実績」を得られるため、若手有望株の起用に消極的になりすぎるメリットはありません。
したがって、クラブから「毎年 1〜3 人の若手有望株を(Bチームから)トップチームに組み込むこと」が要望させることになると思われます。
レジスタや DF の若手有望株にトップチーム入りのチャンスがある
2023年3月時点だと、ユベントスのトップチーム入りの席が空いているのは『レジスタ』と『DF 陣』でしょう。
FW 陣は満席状態。主力格が結果を残していることに加えてケーン、スーレ、イリングの3選手が在籍中だからです。ここにBチームの若手有望株が割って入るのは困難を極めます。
ケーン、スーレ、イリングの3選手の誰かが出場機会を求めて期限付き移籍を選択した場合に枠が空くことになるからです。
一方で『レジスタ』と『DF 陣』に関しては “クラブ内育成選手” の条件を満たすトップチームの選手が誰もいません。「ある程度の貢献が計算できる」と示すことができれば今季中にでも昇格が可能な状況です。
どの選手がチャンスを掴み取るかが注目点になるでしょう。
アニェッリ前会長の置き土産でもあるBチームがクラブの価値を高める存在へと昇華してくれることに期待です。