欧州サッカークラブの収入をランキング化している会計法人デロイト社のフットボール・マネーリーグの2023年版が公開されていましたので紹介いたします。ユベントスは11位にランクダウンとなりました。
上位クラブと売上高は下表のとおりです。
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チーム名 | 売上高(単位:百万ユーロ) | |||
---|---|---|---|---|
21/22 | 20/21 | 19/20 | ||
1 | マンチェスター・C | 731 | 644.9 | 549.2 |
2 | レアル・マドリード | 713.8 | 640.7 | 714.9 |
3 | リバプール | 701.7 | 550.4 | 558.6 |
4 | マンチェスター・U | 688.8 | 558.0 | 580.4 |
5 | パリ・サンジェルマン | 654.2 | 556.2 | 540.6 |
6 | バイエルン・ミュンヘン | 653.6 | 611.4 | 634.1 |
7 | バルセロナ | 638.2 | 582.1 | 715.1 |
8 | チェルシー | 568.3 | 493.1 | 469.7 |
9 | トッテナム | 523 | 406.2 | 445.7 |
10 | アーセナル | 433.5 | 366.5 | 388 |
11 | ユベントス | 400.6 | 433.5 | 397.9 |
12 | アトレティコ | 393.9 | 333 | 332 |
近年はアーセナルやトッテナムなどと「10位争い」をしていたユベントスですが、多額の放映権料を手にするプレミア勢の収益力に屈しつつあります。
2017/18 シーズンの決算が対象となった『フットボール・マネーリーグ2019年版』でユベントスは「アーセナルやトッテナムに次いでの11位」でした。その当時に採用した経営戦略が間違いだったことは認めなければならないでしょう。
「ピッチ上の成績」と「クラブの業績」が結果として示されているからです。
今後の課題となるのは「プレミア勢との経営格差」でしょう。セリエAで最も裕福なユベントスでさえ太刀打ちできない水準だからです。
- ユベントスの収益状況
- 入場料: プレミア勢のトップ6の半分程度
- 放映権料: プレミア勢の平均ほど
- スポンサー料: CL 出場組のプレミア勢の 75% ほど
チャンピオンズリーグ出場による収益でプレミア勢と張り合うことはできていますが、金銭面で張り合うことが年々難しくなることは避けられません。
スタジアム問題でリーグとしての魅力が乏しい上、スポンサーが「投資先のクラブが FIGC から『 “お気持ち” による恣意的な処分』を受けるリスクがあっては割に合わない」と敬遠する要因が生じてしまったからです。
現状では「ジリ貧」がイタリア全体での課題となるでしょう。
真っ向勝負では分が悪いことが明らかであるため、ユベントスがどのような独自路線で覇権の奪還に挑むのかに注目です。