会計法人のデロイト社が公式サイト上で『フットボール・マネーリーグ』の2022年版を掲載していましたので紹介いたします。ユベントスは前年よりランクを1つ上げ、9位にランクインをしています。

トップ10に入ったクラブと売上高は下表のとおりです。
チーム名 | 売上高(単位:百万ユーロ) | |||
---|---|---|---|---|
20/21 | 19/20 | 18/19 | ||
1 | マンチェスター・C | 644.9 | 549.2 | 610.6 |
2 | レアル・マドリード | 640.7 | 714.9 | 757.3 |
3 | バイエルン・ミュンヘン | 611.4 | 634.1 | 660.1 |
4 | バルセロナ | 582.1 | 715.1 | 840.8 |
5 | マンチェスター・U | 558.0 | 580.4 | 711.5 |
6 | パリ・サンジェルマン | 556.2 | 540.6 | 635.9 |
7 | リバプール | 550.4 | 558.6 | 604.7 |
8 | チェルシー | 493.1 | 469.7 | 513.1 |
9 | ユベントス | 433.5 | 397.9 | 459.7 |
10 | トッテナム | 406.2 | 445.7 | 521.1 |
11 | アーセナル | 366.5 | 388 | 445.6 |
2020/21 シーズンはコロナ禍の影響がビッグクラブにも大きな影を落とし、売上高が7億ユーロに到達したクラブはありませんでした。(トップはマンチェスター・シティの6億4500万ユーロ)
健全な経営状況を維持するレアル・マドリードが 2018/19 シーズンに記録した売上高が7億5700万ユーロです。「約1億ユーロの売上高が消失した」と言えるでしょう。
傾向としては収容人数の多いスタジアムを有するビッグクラブの売上高がダウン。 “マッチデー収入が占める割合の少ないクラブ” の中には「放映権料」や「賞金」で売上高の減少を免れることに成功したクラブも存在しています。
■ 放映権料で踏み留まったユベントス
ユベントスが記録した 2020/21 シーズンまでの直近5シーズンにおける売上高の構成比は以下のとおりです。

放映権料収入が 2019/20 シーズンよりも大きく増えたことで売上高全体が押し上げられました。ただ、これは『2019/20 シーズンの放映権料(の一部)』が『2020/21 シーズンに計上』されたことが理由でしょう。
2021/22 シーズンの前期決算がその仮説を裏付けていますし、放映権料収入に8000万ユーロも差が付く成績の変動もなかったからです。「4000万ユーロ分の放映権料が翌シーズンに支払われた」と考える方が自然だからです。
2021/22 シーズンはスタジアムの観客動員制限を真っ先に解除したプレミアリーグが収益を回復させていることでしょう。欧州で最も厳しい制限が設けられたままのイタリア勢は苦戦が予想されます。
持続性を示すための経営状態にまでユベントスが持ち直すことができているのかに注目です。