取締役会が総辞職したユベントスを取り巻く状況を『スカイ・イタリア』が整理していましたので「当局が行なっている捜査の対象や項目」について主要な部分を紹介いたします。
一般司法とスポーツ司法の2系統が動いており、主な捜査状況は以下のとおりです。
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- 一般司法
- 捜査対象:
- アニェッリ会長
- ネドヴェド副会長
- パラティチ前 CFO
- 容疑:
- 偽計業務妨害(≒虚偽会計)
- 移籍市場での不正操作
- 監督官庁への公務執行妨害
- 存在しない請求書を用いた不正申告
- 捜査対象:
- スポーツ司法: イタリア・サッカー連盟(FIGC)が管轄
- 捜査対象: ユベントス・フットボールクラブ(法人格)
- 容疑: キャピタルゲインの手続き(=移籍金の水増し疑惑)
- 控訴審で無罪が確定済
- FIGC検察局はトリノ地検が公表した捜査情報を “新たに” 請求して捜査を再開
- 処分: 罰金・責任者の資格停止・勝点剥奪など多岐に渡る
- 会計書類の偽造で登録資格を満たしていた場合は除外や降格も
- 過去3年で7億ユーロの増資が行われているため、この可能性は低い
捜査は「一般司法」と「スポーツ司法」の2つがあります。前者は日本で言うと「検察や金融庁」が該当し、後者は「Jリーグの規律・裁定委員会」です。
前者で違法行為が認定されると後者は自動的にアウトでしょう。しかし、Jリーグのクラブライセンス制度のように “後者だけ” が問題となるケースもあります。
これが状況をややこしくしている要因です。
イタリア時間2022年12月2日までに「検察による起訴請求」が提出され、予審判事が30日以内に『公判命令』と『不起訴判決』のどちらかを下します。
FIGC が管轄するスポーツ司法の動きが本格化するのは「一般司法での審理が終わってから」でしょう。事実認定が行われる前に先走った処分を下してしまうと「莫大な賠償金」で FIGC が破産に追い込まれるリスクがあるからです。
まずは「一般司法での裁判がどのような争点で行われることになるのか」に注目です。