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戦術分析: サンプドリア戦で露呈した “問題” が再発したチャンピオンズリーグのベンフィカ戦

 2022/23 UEFA チャンピオンズリーグ第2節ベンフィカ戦でユベントスは惨敗を喫しました。カンピオナートで散々な内容だった第2節サンプドリア戦を同じ問題が起きており、結果は必然と言えるでしょう。

 有効な改善策を講じることができていないのですから、今後も同じ問題で勝点を取りこぼす事態に見舞われることになると思われます。

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レジスタが持ち場から消えたサンプドリア戦

 セリエA第2節サンプドリア戦での試合内容が「最悪」と批判されている大きな理由は過去記事でも言及したように「レジスタが本来の持ち場から消えた(ままでポゼッションを続けた)」からです。

 “ピッチ中央でボールを引き出すための動きをする選手” が持ち場におらず、代役を務める選手も不在でした。

 そうなると攻撃は『守備ブロックの外側』しかルートが存在しないため守備側が守りやすくなります。この事態を打破するために「パレデス選手の獲得」したのですが、ベンフィカ戦では同じ問題に直面していました。

 これは『選手個々の判断』で解決するのではなく、『ビルドアップ時の約束事』としてチーム戦術での改善を試みるべきでしょう。

 

ベンフィカ戦でも露呈した問題

 サンプドリア戦で生じた機能不全は9月14日に行われたチャンピオンズリーグ第2節ベンフィカ戦でも露呈しました。例えば、後半72分の場面です。

 ゴールキックで再開したユベントスはボヌッチ選手からダニーロ選手に展開。ベンフィカの CF の背中でボールを呼び込む中盤の選手はおらず、ダニーロ選手は「縦パス」を選択します。

 ところが、受け手となったディ・マリア選手にはグリマルド選手が張り付いており、素早いチェックでディ・マリア選手は入れ替わりに失敗。

 逆にベンフィカが「前線攻撃陣の4選手にグリマルド選手とエンソ・フェルナンデス選手を加えてのショートカウンターの発動が可能」という絶好のチャンスを手にすることになります。

 この形をベンフィカに作られて続けたのですから波状攻撃を受けるのは必然です。『中盤でボールを受ける動きをする選手』が見当たらない状況は深刻と言わざるを得ません。

 

中盤でボールを引き出せる MF がミレッティしかいない現状

 現状のユベントスでは「レジスタが空けたピッチ中央のスペースに侵入して個人技でボールを引き出せる選手」はミレッティ選手しかいません。このチーム編成が致命傷になっています。

 フィオレンティーナ戦では「パレデス選手とロカテッリ選手が揃って先発出場」しましたが、アムラバト選手とマレー選手の2人に封じられてしまいました。したがって、ビルドアップの形をチームとして作り込まないと状況は好転しないでしょう。

 ミレッティ選手は “ビルドアップ時のクオリティーを担保してくれる存在” ですが、「すべての試合で先発フル出場を期待することは非現実的」だからです。

 選手にビルドアップなどプレー選択全体を “丸投げ” を続ける限り、チームが成熟するよりも対戦相手のデータ分析によって狙い撃ちにされると思われます。監督が価値観を変えないのなら、監督を交代させるべきでしょう。