『ガゼッタ・デッロ・スポルト』と『トゥット・スポルト』がユベントスの怪我人の多さを指摘する記事を掲載しています。ただ、アッレグリ監督のチームにとっては「日常茶飯事」と言えるでしょう。
なお、9月16日までに報告された 2022/23 シーズン中の主な負傷者は下表のとおりです。
選手 | ||
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筋肉系 (8) |
GK | シュチェスニー(内転筋) |
DF | デ・シリオ、ボヌッチ、A・サンドロ(内転筋) | |
MF | アルトゥール、ロカテッリ、ラビオ(ヒラメ筋) | |
FW | ディ・マリア(内転筋) | |
その他 | ポグバ(右ひざ半月板)、アケ(右足・腓骨骨折)、マッケニー(左肩脱臼)、シュチェスニー(右足首) |
「10人超の負傷離脱者が発生」と両紙は9月16日付の記事で報じていますが、“止むを得ない負傷” もあります。トレーニングで鍛えようのない靭帯の負傷による離脱者はカウントすべきではありません。骨折も同様です。
一方で「筋肉系の負傷」は別です。
2022/23 シーズンが始まってからの約2ヶ月で(プレシーズンも含めると)筋肉系の問題で8選手が離脱しています。
筋肉系の負傷に関しては「実戦でかかる負荷に耐えるためのトレーニングメニューを組み込むこと」である程度は回避できると考えられるからです。これが『チーム・アッレグリ』の脆弱点でしょう。
アッレグリ監督のチームは「実戦で(組織的に相手のビルドアップを阻害しないため)相手のポゼッションによって振り回される傾向」にあります。
それに耐えるフィジカルを手に入れるトレーニングを積めれば問題にはならないでしょう。しかし、週2試合の過密日程では「疲労回復」だけで精一杯です。
しかもチャンピオンズリーグで対戦するトップチームだけでなく、セリエAのボトムハーフに位置するチームも『組織的なボール保持とフィニッシュの戦術』を基にしているのです。
ボールを持つ時間が減るほど「相手チームが保持するボールを追いかけることを強いられて疲弊する」のですから筋肉系の故障に見舞われる確率は高まります。この責任はアッレグリ監督(とスタッフ陣)にあると言わざるを得ないでしょう。
アッレグリ監督に自らの価値観を変える様子はないため、誰がフィジカル担当になっても筋肉系の負傷離脱者は今後も継続的に発生するでしょう。「負傷者の多さ」を成績不振の弁明に使うのは無理があると思われます。