『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によりますと、ユベントスがポグバ選手の復帰に尽力しているとのことです。アッレグリ監督が希望しているとのことですが、「順番が逆」と言わざるを得ないでしょう。
ポグバ選手は1993年3月生まれの29歳。2012年夏にユベントスに加入し、2016年夏にマンチェスター・ユナイテッドに移籍しました。
ユナイテッドとの契約は今夏まで。そのため、ユベントス以外にも PSG などがポグバ選手の獲得に興味を示している状況となっています。
ただ、ユベントスにはマネーゲームを制してポグバ選手を獲得する余裕はありません。「年俸750万ユーロ+ボーナス」での獲得を打診しているようですが、“チームを取り巻く状況” を考えると順序が逆であることは否めないでしょう。
ユベントスは「若返り(による人件費の圧縮)」をクラブとして進めているため、指揮官に求められるのは「20代前半の選手に『原理・原則』を与えて成長させること」です。
アッレグリ監督は『現実主義』ですから、“原理・原則が定められたチームで20代の多くを主力してプレーした選手” が少ない現状に合わせたチーム作りをすることが期待されていました。
ところが、2期目のアッレグリ監督は『懐古主義』でした。“原理・原則が定められたチームでの主力経験が豊富な選手” を要求しているのです。ポグバ選手やディ・マリア選手の獲得をアッレグリ監督が熱望しているのはこれが理由でしょう。
クラブが定めた再建の方向性とは真逆であることは大きな懸念事項です。今の状態でポグバ選手を獲得することはマイナス面が大きいと言わざるを得ません。
ポグバ選手を獲得に乗り出すべきなのは「チームの『プレー原則』が確立済みの状況で “ポグバ選手の持つ能力やパーソナリティー” によって上乗せが期待できる場合」です。
プレー原理や原則をチーム内で統一できるのは「監督だけ」であり、それが「選手任せ」になっていれば組織として機能しないのは必然です。ポグバ選手の復帰に注力する前にアッレグリ監督に課題の克服を促す必要があるでしょう。