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物議を醸したアッレグリ監督がコリエレ・デラ・セーラに語ったインタビュー記事

 アッレグリ監督が9月18日のセリエA第7節モンツァ戦の前に『コリエレ・デラ・セーラ』に語ったインタビュー記事が物議を醸しています。

 「黙って仕事に取り組むしかない」と記者会見で弁明していながら「雄弁に言い訳を語る」という二枚舌が露呈したからです。また、ツッコミどころが多いことも問題でしょう。

 アッレグリ監督が語った内容の一部を紹介いたします。

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最後の30メートルで工夫を加えるためにポグバやディ・マリアがいるし、ミレッティを育てる

 ユベントスが「相手陣内のラスト 30m」で苦しんでいることは事実です。これは今のアッレグリ監督だけでなく、サッリ監督やピルロ監督の時も抱えていた問題です。

 それを打開するために「ポグバ選手やディ・マリア選手の獲得」は有効な解決策と言えるでしょう。ただ、「ディバラ選手にラスト 30m の攻略を託しても良かったのでは?」との疑問が生じます。

 そもそもの問題は「 “ラスト 30m で能力を発揮する選手” を相手のペナルティーエリア付近に留めておくことができない『チーム戦略』の欠如」です。

 具体的には「DF 陣とボランチ陣を合わせた 6〜7 人で相手のハイプレスを回避してボールを前進させることができていない」のです。これでは「ミレッティ選手を育てる」と言ったところで絵に描いた餅に終わってしまうでしょう。

 

今のユーヴェは “仮の姿”。主力5選手を欠いたミランやインテルが苦戦するかを見よう

 主力選手の約半数を欠けば苦戦は避けられません。しかし、クラブの内外から主力と目される選手の約半数を欠いているのは “ユベントスだけ” です。

 しかも2季連続で大量の負傷離脱者に見舞われています。これでは「言い訳」と批判せざるを得ないでしょう。

 また、アッレグリ監督は「ポグバ・パレデス・ラビオが主戦でロカテッリは交代の1番手」と言及していますが、これも時系列的に奇妙です。

  • ポグバ: 7月末に半月板の損傷で離脱
  • ラビオ:
    • ポグバ加入で退団が加速。8月中旬にユナイテッド移籍が寸前に
    • 現行契約は2023年夏まで
  • パレデス: 8月末に PSG から期限付き移籍で加入

 アッレグリ監督が主力と位置付けた中盤 MF の3選手の内、2人以上が同時にピッチ上に立ったのは9月までなかったのです。

 「ミレッティ・ロヴェッラ・ラビオ」の中盤3枚が機能していたことは事実ですが、このユニットはプレシーズンでは『控え』の扱いでした。この事実を歴史修正する姿勢は褒められたものではありません。

 

選手のクオリティーを愛している。パターンを持たず、相手のクオリティーに適応する

 アッレグリ監督は「他の監督が『選手のクオリティー』を最大限発揮させるための仕組み作りを行なったことで得た効果」を認めていないのでしょう。

 だから、ピッチ上にいる相手選手のクオリティーは「よりクオリティーの高いユベントスの選手たちが瞬時の状況判断で上回ることが可能」と信じて疑わないのです。

 確かに 1対1 なら、ユベントスに軍配が上がります。これはクラブの資金力の差でユベントスの方が “よりクオリティーのある選手” を確保しやすいからです。

 しかし、サッカーは「11対11 のチームスポーツ」です。即興プレーはチーム戦術を上回りますが、それには「即興プレーに関与する選手が少ないほど期待値は上がる」との条件が付随しています。

 この現実からアッレグリ監督は目を背けているのですからチームが苦境に陥るのは必然と言わざるを得ないでしょう。

 

今の選手は「考える」のではなく「従っている」、カルチョは『個の創造性の総和』

 おそらく、アッレグリ監督には「今の選手たちは監督から与えられた『理想の型(という名のプレー指示書)』に従っているだけ」に映っているのだと思われます。

 『指示待ちの受動的な選手』より『自ら判断する能動的な選手』の方が重要なのは明らかです。

 ただ、チームスポーツでは「チームの方向性を一致」させていないと『ベクトルの向きが違う個の創造性』を加算することになるため『総和の実数値』が『期待値』を下回ることが起こり得るのです。

 最近はどのチームも『チーム戦術』を落とし込んでいるため、ベクトルの向きは一致する傾向にあります。

 そのため、“個のクオリティーで劣る(=ベルトルの大きさが小さい)選手で構成されたチーム” が「個のクオリティーに優る(=ベクトルは大きい)ものの統一感の乏しい(=ベクトルの向きがバラバラの)ユベントスと対等に渡り合える」のです。

 

 ユベントスのフロント陣はアッレグリ監督と一蓮托生するのでしょう。現状では事態が好転する見込みは何もないと思われます。