『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などイタリア・メディアが現地3月21日(月)に行われたユベントスとディバラ選手(の代理人)との契約延長交渉は不調に終わったと報じています。契約満了による退団が現実的になったと言えるでしょう。
まず、今季(= 2021/22 シーズン)でユベントスとの現行契約が満了する選手を取り巻く契約延長交渉の状況は下表のとおりです。
選手希望 (or 旧・提示) |
現行年俸 | クラブの 提示内容 |
|
---|---|---|---|
ディバラ | €10m (€8m+α) |
€7.3m | €7m+α [3 yrs] |
クアドラード | (€5m, 1yrs) | €5m | €3.5m [2 yrs] |
ベルナルデスキ | €4m [5 yrs] |
€4m | €2.5m+α [3 yrs] |
デ・シリオ | ? | €3m | €2m |
ペリン | ? | €2.3m | €1.5〜1.8m |
ディバラ選手は2021年10月頃に「年俸800万ユーロ+ボーナスの4年契約」で口頭合意に達していたものの、代理人の資格や支払い手数料によって交渉がストップ。その間に『選手の評価』が下落してしまいました。
その結果、2022年の年明けにクラブから “新たに提示” された内容は「年俸ダウン+3年契約」と条件が下がったと見られています。
提示条件は現地21日(月)に行われたユベントスと(ディバラ選手の)代理人との交渉でも変わらなかったのでしょう。だから、「交渉は決裂」と報じれれているのです。
なお、ユベントス側がディバラ選手の年俸をアップさせない理由は「クラブを取り巻く経営状況」と「ヴラホビッチ選手の存在」です。
21/22 | 22/23 | 23/24 | 24/25 | |
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Morata (29) | €5m | |||
Dybala (28) | €7.3m | |||
Bernardeschi (28) | €4m | |||
Chiesa (24) | €5m | * | ||
Vlahovic (22) | €3.5m | €7m | €7m | €7m |
Kean (22) | €2.5m | €2.5m | * | |
Kaio Jorge (20) | €1.2m | €1.2m | €1.2m | €1.2m |
Pjaca (27) | (TOR) | €2m | ||
合計【FW】 | €29.5m |
ビッグクラブであってもコロナ禍の影響は深刻です。ユベントスは「コロナ禍による経営不振」が「パラティーチ CFO 時代の放漫経営」に上乗せされる形となっており、人件費の削減が喫緊の課題となっています。
そこに「シーズンを通してフル稼働が期待できる点取り屋のヴラホビッチ選手が推定年俸700万ユーロで加入」しました。
ディバラ選手は出場時に輝きを放つ “特別な選手” であるものの、負傷離脱が相次ぐことと守備での貢献度が(ヴラホビッチ選手よりも)少ない現状では『希望額』をユベントスが提示することはないでしょう。厳しいことですが、これが現実なのです。
ディバラ選手が残りシーズンで獅子奮迅の大活躍を見せない限り、ユベントスからの提示条件が改善する可能性はないでしょう。ディバラ選手を高く買っているアッレグリ監督が今後どのように振る舞うのかにも注目です。