『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などが今季でユベントスとの契約が満了するラビオ選手を取り巻く状況に関する記事を掲載していましたので状況を整理することにしましょう。

2023年1月の移籍市場での退団
まず、約1ヶ月後に開く2023年1月の移籍市場でラビオ選手がユベントスを離れる可能性は少なからず存在します。しかし、制約が “足枷” となっています。
- 獲得を希望するクラブの存在
- ユベントスが納得する移籍金の提示
- ラビオ選手(と代理人)が納得する年俸の拠出
ユベントスとしては「2023年夏にフリーで退団となるなら少額でも移籍金を残して欲しい」が本心です。
ただ、1月の移籍市場で “チャンピオンズリーグのタイトルを狙うビッグクラブ” が『主力級の選手』を緊急補強で獲得するケースは極めて稀です。今季だとカタールW杯に参加中の主力が後半戦絶望の負傷をした場合などに限られるでしょう。
したがって、ラビオ選手が1月の移籍市場でチームを離れる可能性は「可能性として存在はするが現実的ではない」との結論になると思われます。
契約延長の可能性
次に、ラビオ選手がユベントスと契約延長に至る可能性は残されています。ただ、こちらも条件を満たす必要があります。
- ラビオ選手(と代理人)が納得する年俸が提示されること
- “2023/24 シーズンの監督” を選手が支持していること
契約延長には年俸面がネックになりそうですが、ミリンコヴィッチ=サヴィッチ選手を獲得する場合には移籍金の負担分が加味されることから “負担することはできなくない” と言えるでしょう。
ラビオ | ミリンコヴィッチ | |
---|---|---|
€7m (+€2m) | 年俸 | €7m ? |
母・ヴェロニク | 代理人 | マテヤ・ケジュマン |
ー | 移籍金 | €10m (仮:5000万ユーロ) |
年俸+手数料 | 総額 | 年俸+手数料+移籍金 |
むしろ「2023/24 シーズンのユベントスを率いる監督」の方が影響を及ぼすと考えられます。
ラビオ選手は 2022/23 シーズン前半戦は「キャリアベスト」と言っても良い内容を継続しており、このパフォーマンスを来季以降も継続できそうな監督の下でなら「残留」もあり得るはずです。
しかし、その確証が得られないのであれば契約延長には消極的になるでしょう。そのため、ラビオ選手の契約延長には「ユベントスの監督人事や選手起用」も地味に影響していると考えれます。
交渉が妥結しなければ契約満了で退団
ユベントスとの契約延長交渉が妥結できなければ、ラビオ選手は契約満了でチームを離れることになります。現時点からフリーになることを前提に動くことは(選手側にとっても)得策ではないため、波風を立てる動きは自重するでしょう。
ラビオ選手側は「アッレグリ監督が来季も続投」となった方が交渉時に優位になりますし、現在の中盤 MF 陣の役割分担がラビオ選手に合っているからです。
- 3-5-2(や 3-5-1-1)で中盤は3人で構成
- 攻撃時は 3-4-2-1 を経て、3-2-5 に可変
- 3バックとダブルボランチで相手のカウンター対策
- ダブルボランチ役: ラビオ+ロカテッリ
- トップ下: ファジョーリ(マッケニー)
- 3バックとダブルボランチで相手のカウンター対策
- 押し込まれた際は 5-3-2 や4バックで対処
ラビオ選手の主な仕事は「ダブルボランチを構成して攻撃参加を自粛」し、「相手のカウンターの芽を摘む」ことです。
“トップ下にまで進出する MF” と役割を入れ替えた攻撃参加でも存在感を発揮していますし、この環境が続くことをラビオ選手を願うでしょう。
どのチームでもどのコンペティションでも能力を発揮する選手は評価が高くなります。ラビオ選手はその域に達しつつあり、争奪戦は避けられないと思われます。
選手の意向が契約交渉に強く影響するだけにどのような結末を向けるのかに注目です。