トゥット・スポルトの書籍出版イベントに出席したネドベド副会長が質疑応答の場で『Bチーム(= U-23)用のスタジアム建設』に関する言及をしていましたので、概要を紹介いたします。
パベル・ネドベド副会長:
「私達が良いサッカーの商品を提供したいのであれば、スタジアムから始めなければなりません。
スタジアムは私達にとってのものだけでなく、スタジアムに来てチームに声援を送る全てのティフォージたちにとっての家であると私は信じています。
私達が有しているもう1つのプロジェクトが女子チームや若手選手用のミニスタジアムを作ることです。パンデミックによって立ち止まっていますが、将来実現されることを望んでいます。
(人種差別チャントへの)正しい対処方法は私達がスタジアムで行なっているようにカメラを設置して見つけることです。
カメラを備え付けたシステムがあれば十分です。他の方法に比べて最小限の投資で済みますし、今日の世界にとっても最小限です」
『Bチーム(や女子チーム)用のスタジアムプロジェクト』ですが、過去記事で触れたように「コンティナッサに隣接する『パラトリノ(PalaTorino)』の跡地」に建設されるはずです。
プロジェクトの噂が流れたのは2018年夏。当時は候補地が係争中の段階で土地を取得するには「2020年夏」まで待ち、そこで『プロジェクト』を “公表” する形で水面下での準備が進んでいたと予想されます。
ただ、2018年以後の準備が順調に進んでいたとは思えません。
まず、パラティーチ CFO の下でクラブが『拡大路線』を選択。巨額の赤字が積み重なり、Bチーム用のスタジアム建設費の捻出が怪しまれる状況となっていました。
そこにコロナ禍が加わってクラブの経営状況はさらに悪化。UEFA のファイナンシャル・フェアプレーの適用対象外である『(育成部門を含む)スタジアム整備費』を拠出することも先送りをせざるを得ない状態となっているからです。
マロッタ GM 時代の健全経営路線が続いていれば、『Bチーム用のスタジアムプロジェクト』への経済的な障壁は今よりも低かったことでしょう。現状の苦境を今の経営陣が克服することができるのかに注目です。