『メディアセット』によりますと、ユベントスのサッリ前監督が「職場復帰」を念頭にユベントスとの雇用契約解除に向けた動きをしているとのことです。お声がかかった時に備えての動きと言えるでしょう。
サッリ前監督は2019年夏に『3年契約』でユベントスの監督に就任したため、契約は2022年(6月30日)まで残っています。ユベントスは年俸負担が重荷になっていますし、一方のサッリ監督も職場復帰の際の “足かせ” となっています。
これは「二重契約はダブー」だからです。サッリ前監督は現時点で「ユベントスとの監督契約下」にあるため、“ユベントス以外のクラブ” と監督契約を締結するには『ユベントスとの間で有効な現行契約』を破棄することが前提です。
契約解除にクラブが難色を示すと、スパレッティ前監督のように職場復帰を逃すことにもなり兼ねません。
したがって、「即時の契約解除」ではなく「サッリ前監督側から解除の意向を示した際の条件交渉」で合意に達しておくメリットは大いにあると言えるでしょう。
ちなみに、このような話がメディアで出てくる理由は「監督交代の可能性があるチームが既に存在するから」です。
その1つはフィオレンティーナ。昨季の途中にイアキーニ監督が就任しましたが今季も低調な成績で監督交代が起こり得る状況です。サッリ前監督はトスカーナ州と所縁が深いため、就任の可能性はあると言えるでしょう。
もう1つはローマです。こちらはフォンセカ監督の評価が思わしくなく、新オーナーのフリードキン氏が監督交代に踏み切ったとしても不思議ではありません。
こちらはアッレグリ氏に興味を示していましたし、フロントにはパラティーチ氏の招聘に向けた動きをするなど積極的です。サッリ監督の年俸水準なら拠出できるため、電撃的な監督交代劇が起きる下地はあると言うことができます。
ユベントスとしてはサッリ前監督(と彼が引き連れているコーチングスタッフ陣)の年俸負担から解放されるのは「渡りに船」と言えるでしょう。サッリ前監督の電撃復帰があるのかにも注目です。