イタリア保健省が発表している新型コロナウイルス感染症の新規陽性反応者・死者・重症者数の推移をグラフ化しました。8月23日から29日までの1週間で新たな陽性反応者は増加が続いているものの、重要者と死者は微増に留まっています。
8月23日〜29日 (7日間平均) |
8月16日〜22日 (7日間平均) |
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新規感染者 | 1245 【+574, +85.5%】 |
671 【+195, +41.0%】 |
死亡者 | 6 【+1, +20%】 |
5 【0, 0%】 |
集中治療室 | 70 【+7, +11.1%】 |
63 【+12, +23.5%】 |
イタリア国内としては7月が陽性反応者の数値が低く、8月に入って経済活動が再開してから徐々に数値が上がっている状況です。上昇幅は「8月上旬」よりも「8月下旬」の方が大きく、“第2波” に相当すると言えるでしょう。
ただ、これは『陽性反応者』の数値です。遅行指標とされる『重症者』や『死者数』は “第1波” と比較すると「微増」と表現することも大げさな状態で推移しています。
ちなみに、2020年3月以降における各週ごとの1日平均感染者・重症者・死者の推移は下図のとおりです。
- 2020年3月1日〜7日(1日平均)
- 新規陽性反応者: 573
- 死者: 29
- 重症者: 315
- 2020年8月16日〜22日(1日平均)
- 新規陽性反応者: 671
- 死者: 5
- 重症者: 63
陽性反応者は見つかるが、重要者や死者は(第1波と比較すると)極端に少ないという「第2波の特徴」が現れています。そのため、再度ロックダウンが実施される可能性は低いものと予想されます。
なお、余談として言及する必要があるのは「8月15日に100人超の死者数が報告されている理由」でしょう。これはロンバルディア州で “既に亡くなっている人” が「新型コロナによる死亡」と認定されたため、一括計上されたためです。
認定死を除いた報告死亡者数は4名ですから、例外ケースとして分析時に注意する必要があります。
イタリアでの注目点は「セリエAのスタジアムに観客を戻せる見通しが立つか」です。陽性反応者が増えている現状では観客を入れる話が具体化するとは思えないだけに、今後の成り行きには注目すべきだと思われます。