イタリア保健省が発表している新型コロナによる感染状況をグラフ化しました。第2波が襲来したイタリアでは11月初旬の『首相令』により陽性反応者数は峠を越えたと言える状態となっています。
11月29日〜12月5日 (7日間平均) |
11月22日〜28日 (7日間平均) |
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新規感染者 | 20780 【-5506, -20.9%】 |
26286 【-7425, -22.0%】 |
死亡者 | 736 【+7, +0.96%】 |
729 【+75, +11.5%】 |
集中治療室 | 3637 【-173, -4.54%】 |
3810 【+179, +4.93%】 |
まず、イタリアでの陽性反応者数は『首相令』で「仕事や緊急時以外の理由による州や自治体を跨いでの移動が禁止」となったことを始め、経済活動を様々な部分で制限したことで11月上旬を境に減少に転じました。
遅行指標である重症者数は先週(= 11月22日から28日)がピーク。死者数は今週にかけてがピークとなっています。
今後は第1波の時の同様に陽性反応者・重症者・死者の報告数が徐々に減少して行くフェーズを迎えるものと考えられます。そのため、“準ロックダウン” の状態はおそらく年明けまで続くことになるでしょう。
ちなみに感染の傾向は第1波と時とは少し異なります。
第1波の際は「北中部の州に死亡者が集中」しており、6月20日の発表分で「ロンバルディア州やピエモンテ州などの6州で死者の 85% を占める」という状況でした。
しかし、第2波では「ローマ以南など南部の州での死者が増加」している一方、「北中部の州では被害は小さく」なっています。したがって、この点に留意する必要はあるでしょう。
ただ、準ロックダウンによる弊害は発生しています。ユベントスではトリノとミラノにあるユベントス・ストアの旗艦店が営業できず、解雇を避けるためにクラブの幹部陣が自身の有休資格を従業員に譲渡するなどの自転車操業をしています。
そのため、「感染拡大を封じるために支払った代償」に目を光らせる必要があります。新型コロナの感染状況とイタリア政府の対策がどのように推移するのかに注目です。