2019年11月の国際Aマッチデーに入ったことで各国の1部リーグは中断期間を迎えています。再開まで時間がありますので、2019/20 シーズンの公式戦で起用されたユベントスの選手の出場時間率を確認することにしましょう。
■ 主な選手の出場時間率
ユベントスに所属する選手が 2019/20 シーズンの11月の代表戦までの公式戦で記録した出場時間率は以下のとおりです。
サッリ監督は「ターンオーバーに消極的」との前評判がありましたが、その通りの起用傾向が出ていると言えるでしょう。レギュラー格の選手は固定されていますし、多くが出場時間率で 70% を超えているからです。
そのため、控えとしてシーズンを迎えた選手の出場時間が伸び悩むという状況に直面しています。
ただ、10月の代表戦ウィークの時と比較すると “ポジティブな変化” があることも事実です。これがシーズン前半戦が終わる12月末の時点でどのように変化しているかが注目点と言えるでしょう。
■ ベンタンクールやラビオの出場時間率に変化が見られる
「10月の代表戦ウィークを迎えた時点」と「11月の代表戦ウィークを迎えた時点」での出場時間率で大きな変化が見られたのは下表の選手たちです。
〜10月代表戦 | 〜11月代表戦 | ||
---|---|---|---|
DF | ルガーニ | 0%(0分) | 12.5%(180分) |
MF | ケディラ | 73.8%(598分) | 62.6%(876分) |
ラビオ | 25.4%(206分) | 31.9%(446分) | |
ベンタンクール | 21.6%(175分) | 47.5%(665分) | |
FW | ディバラ | 42.5%(344分) | 51.2%(717分) |
ベルナルデスキ | 40%(275分) | 47.9%(670分) |
大きく出場時間を伸ばしたのはベンタンクール選手です。ピアニッチ選手の代わりにレジスタを務めたり、ケディラ選手の代わりも務めました。
「チームの若返り」という意味でもベンタンクール選手がレギュラーとしての地位を確保できるかは大きなポイントです。シーズン前半戦を終えた段階で「ケディラ選手の出場時間率が 60% 弱、ベンタンクール選手が 50% 超」が目標と言えるでしょう。
また、ラビオ選手の出場時間率が伸びていることも注目点です。こちらはマテュイディ選手とポジションを分け合っていますから、「前半戦終了時にラビオ選手の出場時間率が 40% 弱にまで伸びていること」が目標になるでしょう。そうなることでチームの若返りが進んでいることになるからです。
■ フルメンバーが戻った FW 陣では「本当の序列」が浮き彫りになる
FW 陣は負傷離脱していたD・コスタ選手が復帰したため、“戦術的な制約” がなくなりました。トップ下を置く 4-3-1-2 だけではなく、ウィンガーを置く 4-3-3 も可能になった訳ですから、サッリ監督が “本当に使いたいシステム” が使われることになるでしょう。
したがって、それが「出場時間率の変化」という形で浮き彫りになると考えられます。
2019/20 シーズン前半戦に予定されている公式戦にフル出場すると約2200分になります。出場時間率が 70% だと約1500分の換算になるため、代表チームでもプレーする主力選手はこのラインに出場時間を留める必要があります。
そうしないとシーズン全体の出場時間が3000分を大きく超過するため、疲労でパフォーマンスが低下したり、負傷離脱に見舞われる可能性が高くなるからです。
冬の移籍市場で余剰人員となっている選手の放出は避けられないだけにサッリ監督が現有戦力をどのように起用するのかに注目です。