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ユベントスの選手・監督等に対する通信簿 【MF編 2019/20 シーズン前半戦】

 2019/20 シーズンの前半戦が終了しましたので、ユベントスの選手・監督への評価を行いたいと思います。評価は A〜D の4段階、A が最高評価です。 第4回目の評価対象は MF 陣です。

画像:黒子役として汗をかき続けて貢献したマテュイディ
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ミラレム・ピアニッチ(29): A-

 中盤のレジスタとして重要な仕事が任されているピアニッチ選手が 2019/20 シーズン前半戦に記録した成績は以下のとおりです。

表1: ピアニッチ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:86.0%)
セリエA 15 (14) 3 (4) 1230'
UEFA CL 6 (6) 0 537'
SuperCoppa 1 (1) 0 90'
合計 22 (21) 3 (4) 1857'
前半戦の全試合 24 2160'

 パスを引き出してボールを散らし、3得点4アシストと結果を残しています。攻撃面では期待された仕事を十分に果たしていると言えるでしょう。

 その一方で守備面での貢献度が昨シーズンよりも低くなっていることが気になる点です。スペースを消したり、インターセプトからカウンターの起点になるなど守備での貢献も期待したいところです。

 後半戦は「守備での貢献の上乗せとコンディショニング」が課題となります。90% 弱の出場時間率は高すぎますので、この数値を下げつつ、攻守で貢献することができるのかに注目です。

 

サミ・ケディラ(32): B

 ケディラ選手が今季前半戦に残した出場成績は次のとおりです。

表2: ケディラ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:44.0%)
セリエA 12 (9) (1) 685'
UEFA CL 5 (4) 0 265'
合計 17 (13) (1) 950'
前半戦の全試合 24 2160'

 サッリ監督就任時点で「構想外」と見られていましたが、プレシーズンに起用された試合で「一発回答」。パフォーマンスで自分の居場所を作り出しました。

 中盤でバランスを取り、守備の強度をチームに与えていました。それだけにひざの負傷で長期離脱を強いられたことは選手自身にもチームにも痛手と言わざるを得ないでしょう。

 後半戦の課題は「良い状態で復帰すること」だと言えるでしょう。ピッチ上でのプレーは計算できる選手ですから、ベンタンクール選手の良き後見人として貢献することができるのかに注目です。

 

アーロン・ラムジー(29): C

 アーセナルからフリートランスファーで加入したラムジー選手が記録した出場成績は下表のとおりです。

表3: ラムジー選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:23.6%)
セリエA 8 (3) 1 343'
UEFA CL 4 (2) 1 142'
SuperCoppa 1 0 24'
合計 13 (5) 2 509'
前半戦の全試合 24 2160'

 細かい負傷で離脱する期間が長く、不完全燃焼に終わった前半戦と言えるでしょう。ただ、ベンチウォーマーに終わった試合は少なく、サッリ監督から大きな期待が寄せられていることが起用方法から伺いしれます。

 そのため、後半戦は「戦力として計算できるパフォーマンスを示せるか」が課題になります。

 4-3-1-2 を基本システムに採用しているため、ラムジー選手が最も得意にするトップ下のポジションは存在します。ファイナルサードで決定的な仕事ができる選手ですので、期待に応えるパフォーマンスを見せられるのかに注目です。

 

ブレーズ・マテュイディ(32): A

 マテュイディ選手が 2019/20 シーズン前半戦で残した成績は次のとおりです。

表4: マテュイディ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:70.0%)
セリエA 15 (12) 0 1095'
UEFA CL 5 (4) 1 340'
SuperCoppa 1 (1) 0 76'
合計 21 (17) 1 1511'
前半戦の全試合 24 2160'

 マテュイディ選手もケディラ選手と同様に「サッリ監督のスタイルに合わない」と見られており、プレシーズンでのプレー内容も散々でした。しかし、右サイドからの攻撃の比重が大きくなったため、昨シーズンと同様の仕事内容に注力することで好調さを維持することができました。

 出場時間率で見ても 70% と理想的な起用方法がされていると言えるでしょう。

 後半戦に求められているのは「前半戦の調子を維持すること」です。ただ、チーム的には「新加入のラビオ選手にポジションを得て欲しい」という思惑があるため、「腐らないこと」も要求されることになるでしょう。

 現行契約が今シーズンで満了するマテュイディ選手の去就がどうなるのかにも注目です。

 

エムレ・ジャン(25): C

 2シーズン目を迎えたエムレ・ジャン選手の出場成績は以下のとおりです。

表5: エムレ・ジャン選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:12.6%)
セリエA 7 (2) 0 272'
合計 7 (2) 0 272'
前半戦の全試合 24 2160'

 フロント陣の失態によってプレーのクオリティーを大きく損ねることになった被害者と言えるでしょう。「登録メンバーから外れた中でもトップコンディションを維持すべき」という要求は無理筋です。これが可能なら、若手有望株を “武者修行” に出す必要はないからです。

 1月の移籍市場で新天地を求める可能性が高いため、後半戦の課題は「今季前半戦で失った評価を取り戻すこと」になります。

 ユベントスで評価を取り戻して欲しいところですが、それは難しいと言えるでしょう。後半戦はどのチームでプレーすることになるのかに注目です。

 

アドリアン・ラビオ(24): B

 PSG からユベントスに加入したラビオ選手が今季前半戦で残した成績は下表のとおりです。

表6: ラビオ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:32.9%)
セリエA 9 (5) 0 511'
UEFA CL 3 (2) 0 200'
合計 12 (7) 0 711'
前半戦の全試合 24 2160'

 シーズン序盤戦は「実戦感覚の欠如」や「セリエAへの適応」にやや苦しみ、筋肉系のトラブルで離脱を強いられるなど苦労しました。ただ、12月に入ると切り換えの速さや持ち前のクオリティーで好印象を残し、前半戦を終えました。

 後半戦では「シーズン前半戦の終盤に見せた内容を継続すること」がテーマとなります。それができれば、マテュイディ選手との序列がシーズン最終盤を前に入れ替わることも十分あり得るでしょう。

 ラビオ選手が後半戦で PSG 時代に見せていた本領を発揮することができるのかに注目です。

 

ロドリゴ・ベンタンクール(22): A-

 ベンタンクール選手が記録した出場成績は以下です。

表: ベンタンクール選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:51.9%)
セリエA 13 (9) (4) 791'
UEFA CL 5 (2) 0 239'
SuperCoppa 1 (1) 0 90'
合計 19 (12) (4) 1120'
前半戦の全試合 24 2160'

 コパ・アメリカで合流が遅れたために序盤戦が出場機会に恵まれなかったものの、実力で出場時間を伸ばしました。「両足を使える器用さ」と「強力2トップを擁するウルグアイ代表での経験」を上手く活かせた前半戦でした。

 後半戦でも「攻守における貢献」が期待されます。中盤 MF ではピアニッチ選手と同じ4アシストを記録していますから、「ゴールと2桁のアシスト数」を残すことができる実力は備わっていると思われます。

 シーズン後半戦でベンタンクール選手が自らのポジションを確固たるものにすることができるのかに注目です。