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コラム: ユベントス版サッリ・ボールの現在地(2019年7月29日現在)

 今夏にサッリ監督を招聘したユベントスが行った 2019/20 シーズンのプレシーズン・ツアーが終了しました。チームは構築中の段階ですが、現在地を確認することにしましょう。

画像:ロナウドに指示を与えるサッリ監督
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■ サッリ・ボールが目指すスタイル

 サッリ監督が目指すスタイルを要約すると、以下のものでしょう。

  • 攻撃:ボールを保持して積極的に仕掛けるスタイル
    • 攻撃の基本サイドを設定する
    • ワンタッチ、ツータッチのパス交換を使って前進
    • レジスタがボールに数多く触れる
  • 守備:
    • ハイプレスによるボールの即時奪還
    • 高い DF ラインの設定によるコンパクトな陣形の維持

 「ショートパスを軸に攻め、相手を自陣内に押し込めて波状攻撃をすること」が狙いです。ただ、チーム構築中の段階であり、サッリ・ボールをする上で必要な要素の片鱗はまだ見えていないことが現状と言えるでしょう。

 

■ 「昨夏のチェルシー」と「今夏のユベントス」の状況はほぼ同じ

 サッリ監督を迎えたユベントスの現在地は「昨夏のチェルシー」とほとんど同じです。サッリ体制が発足したチェルシーもプレシーズン中は現在のユベントスと同じ課題を抱えていました。

 守備は両チームともに「DF ラインを高く設定できず、全体が間延びする」という状況でした。

 攻撃では「メインに攻撃するサイド」を決める必要があるのですが、ユベントスは「決まったとは言い難い状況」です。昨年のチェルシーも “攻撃のベースとなるサイド” が定まっておらず、攻撃は個々の選手に依存する状態でした。

 ただ、チェルシーはジョルジーニョ選手を獲得している関係で「レジスタ絡みの不安要素は皆無」だったことがユベントスとは決定的に異なる要素です。この部分を『チームの戦術理解度の速さ』で埋めることができるかが今後のポイントになります。

 

■ “ユベントスの攻撃のベースサイド” も「左サイド」になる可能性が高い

 攻撃を行う際に人数をかけるベースサイドは未設定ですが、おそらくユベントスもサッリ監督が過去に率いたナポリやチェルシーの時と同じ「左サイド」になると予想されます。

 これは「右サイドを攻撃のベースに設定するなら、プレシーズン・マッチで片鱗が見えていたはず」だからです。しかし、カンセロ選手やベルナルデスキ選手などの主力候補がいる中でも、右サイドをベースにした攻撃を続ける様子は見せていません。

 そのため、現時点では「左サイドに “攻撃のベースサイド” を設定する可能性が高い」と思われます。なぜなら、左サイドにはボールを持てる選手が多いからです。

  • SB: A・サンドロ
  • MF: ラビオ(= 『10番』)
  • WG: ロナウド(= 『7番』)
  • CF: ディバラ(= 『偽9番』)

 ハイプレスを回避された時は「右 WG を MF に下げた 4-4-2 で守備ブロックを形成」すれば、ロナウド選手とディバラ選手は “攻め残り” で守備負担を軽減できます。アッレグリ監督の手法を継続するだけですから、このアプローチが採られる可能性が高いと言えるでしょう。

 

 また、ハイラインをする上で高い位置に設定する DF 陣のセンターバックも固まっていません。アジア・ツアーに参加した4選手で構成できる組み合わせはすべて試しており、どの選手をレギュラーとするのかを決定する必要もあります。

 8月10日にスウェーデンで行われるプレシーズン・マッチのアトレティコ戦で 2019/20 シーズンのチームの骨格がより明らかになることでしょう。サッリ監督がどのようにチームを仕上げていくのかに注目です。