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コラム: サッリやピルロが頭を悩ませた課題に直面しつつあるアッレグリ

 プレシーズン・マッチの最終戦となったアトレティコ・マドリード戦に完敗したことで『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などが「ユーヴェに問題発生」と報じています。

 “サッリ監督やピルロ監督がユベントス時代に抱えていた問題” にアッレグリ監督も直面している状況であり、「どのように解決策を図るのか」がポイントになると言えるでしょう。

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■ アッレグリ監督が直面している問題

 アッレグリ監督が直面している問題はアトレティコ戦の前半38分すぎの場面に集約されています。

 CB が相手陣内にボールを持って侵入したのですが、そこからの決定打を欠き攻めあぐねる状況に陥ってしまったのです。

  • 『CB からレジスタへのパスコース』が相手 FW に消される
    • 相手の守備ブロックの外側ならパス交換は可能
  • ボールホルダーが相手選手を釣り出せない
    • 相手のマークが外れず、攻撃側が不利な状況に陥る
    • ボールロスト時に『最終ラインの “前後の” スペース』を使われる

 ボールの受け手となる選手が「パスコースを作るための(献身的な)フリーランニング」に消極的だと相手の守備ブロックは崩れにくくなります。

 “狭いライン間で自陣側からの縦パスを受けて強引に前を向けるプレーが計算できる選手” は限られていますし、『ライン間で前向きにボールを持った選手』を作る動きをチームとして習得できるかが鍵となるでしょう。

 

■ レジスタへのパスコースは消される前提で選手を配置できるか

 まず、『レジスタへの(CB からの)パスコース』は基本的に消されます。中盤で配球を担う選手を自由にする訳には行かないため、特に『DF からレジスタへのパスコース』は消される前提でビルドアップのルートを構築する必要があります。

 その1つが「走力のあるレジスタの起用」です。

 ブロゾヴィッチ選手(インテル)のような “走行距離の長いレジスタ” を「1試合通して監視することは不可能」です。相手 CF に背中で消されても持ち前のスタミナを活かして自ら動くことでパスコースを復活させることができるからです。

 もう1つは「代理レジスタの確立」でしょう。こちらはイタリア代表が採っているアプローチが参考例になります。

 ジョルジーニョ選手へのマークが厳しくなることを逆手に取り、ジョルジーニョ選手の横でロカテッリ選手がボールを引き出して展開する戦術です。こちらは「レジスタと同等の信頼感をチーム内で確立した選手」が必須であり、ハードルが高いことは否定できません。

 

■ 最終ラインの “前後に” 生じるスペースを的確にケアし続けることができるか

 また、ボールを保持して相手陣内にまで押し込んだ際は「最終ラインの背後に生じる広大なスペースをケアする必要性」が否が応でも発生します。

 イタリアでは『最終ラインの背後のスペース』を突かれることを嫌いますし、ユベントスは伝統的にその傾向が色濃いチームです。この問題をサッリ監督やピルロ監督は解消できず、アッレグリ監督は「低い DF ラインの設定」で昨季は誤魔化しました。

 相手にカウンターを放たれた際に “スピードのないボヌッチ選手” が足手まといになることは確定的であり、ブレメル選手にカバーを期待すると「本来なら空いていないスペースに空きが生じる」という悪循環が懸念されます。

 したがって、サッリ監督やピルロ監督が完遂できなかったミッションにアッレグリ監督が取り組むという状況が起こったとしても不思議ではありません。

 

 相手 FW が作る『縦のゲインライン』や相手 SB が作る『横のゲインライン』をチームとしてどう突破するかが攻撃時の課題となるでしょう。その一方で守備時の課題は「前線に人数をかけたことで生じたスペースを使われたカウンター対策」がメインになると思われます。

 アトレティコ戦で露呈した課題をアッレグリ監督やコーチ陣が上手く修正することができるのかに注目です。