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【移籍のウワサ】 ザニオーロ放出の可能性を受けたユベントスがイグアインを絡めた獲得交渉に乗り気?

 コリエレ・デッロ・スポルト』によりますと、ローマが「ザニオーロ選手へのオファーを聞く」との姿勢を示したことを受け、ユベントスとトッテナムが関心を示しているとのことです。ユベントスの場合はイグアイン選手を絡めた提案になるでしょう。

画像:コリエレ・デッロ・スポルトの一面(2019年7月7日付)
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■ ローマの要求額を現金だけで満たすクラブはない

 ローマはザニオーロ選手の移籍金として「現金4500万ユーロ」を要求していると報じられています。ユベントスやトッテナムが獲得に興味を示しているとのことですが、どちらのチームも「選手を付随させることでの値引き」を求めていると言われています。

  • ユベントス: イグアイン+現金
  • トッテナム: アルデルベイレルト+現金

 どちらのオファーに耳を傾けるかはローマ次第です。ユベントスは「選手がユーヴェ行きを希望している」との噂が出ていますので、移籍先として名前が出ていると考えられます。

 実際に獲得するかはフロント陣次第ですが、ザニオーロ選手を獲得した場合は「使用するフォーメーションに制約がかかる」ことを念頭に置く必要があります。

 

■ 『トップ下』がザニオーロが輝くための必須条件

 ザニオーロ選手の問題点は「トップ下でなければ機能しない」ことです。U-21 欧州選手権では 4-3-3 のウィングを担当しましたが、内容は散々でした。

 そのため、ザニオーロ選手がユベントスに加入するとシステムは必然的に 4-3-1-2 を中心にせざるを得ないでしょう。

画像:ザニオーロ選手加入時の予想フォーメーション

 現時点でザニオーロ選手の持ち味が最も発揮されるのは「トップ下のポジションで縦に早く攻める場合」です。

 中盤 MF に豊富な人材を擁していることを考えると、4-3-1-2 でトップ下をラムジー選手と争う形になるでしょう。現状では「中央に居座り続けるタイプの CF は不在」ですから、ザニオーロ選手のエリア内への侵入が妨げられるような事態にはならないと思われます。

 ただ、その一方で FW 陣のポジションが「2つ」になる訳ですから、FW 陣を中心にした選手の放出は避けられません。これを実施できるのであれば、ザニオーロ選手の獲得に乗り出すことは問題ないと言えるでしょう。

 

■ ザニオーロ加入によって放出が不可避となる FW 陣

 ザニオーロ選手がユベントスに加入した場合、放出を余儀なくされると考えられる FW とその理由は以下のとおりです。

寸評
D・コスタ サイドが本職であり、ザニオーロとは対極に位置する選手。4-3-1-2 では能力を持て余すことが濃厚であり、放出は止むを得ない
クアドラード DF や MF なら 4-3-1-2 でも起用可能だが、FW としては難しい。積極的に退団を引き止める価値が少ない選手
イグアイン ロナウドとポジションが被ることが濃厚で2トップ起用にも暗雲が立ち込める
ピアツァ 適正ポジションが見当たらないのはD・コスタと同じだが、怪我明けで獲得に乗り出すチームを見つけるのは難しい

 4-3-1-2 と攻撃の比重が中央に偏るシステムが主に使用されることが予想されるため、「サイドで攻撃的な役割を担うこと」に最大のアピールポイントを持つ FW が放出の対象になります。

 「このリスクを取る価値がある」とサッリ監督が判断するなら、ユベントスのフロント陣はザニオーロ選手の獲得に本腰を入れるべきです。

 しかし、サッリ監督が 4-3-3 や 4-2-3-1 の使用をメインに考えているなら、ザニオーロ選手の獲得は自重しなければなりません。なぜなら、ザニオーロ選手はサイドで存在感を発揮する攻撃的な選手ではないからです。

 

 現状のユベントスは FW 陣と MF 陣が人員過剰となっていますが、選手の放出が本格化するのはプレシーズンが始まってからになるでしょう。2019/20 シーズンにメインで使うシステムが固まった後に、そのシステムで居場所のない選手が放出されると考えられるからです。

 ユベントスの攻撃陣がどのような形で整備されるのかにも注目です。