2019/20 シーズンのリーグ最終戦となるセリエA第38節ローマ戦はイグアイン選手のゴールで先制するも、3ゴールを許して逆転され、試合は 1-3 で敗れました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

Juventus [4-3-3] |
AS Roma [3-4-2-1] |
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GK | 1: シュチェスニー | 63: フザート |
DF | 13: ダニーロ 24: ルガーニ 19: ボヌッチ ![]() 47: フラボッタ |
20: ファシオ 6: スモーリング 41: イバニェス |
MF | 25: ラビオ 38: ムラトーレ 14: マテュイディ |
2: ザッパコスタ 14: ビジャール 4: クリスタンテ 61: カーラフィオーリ |
FW | 33: ベルナルデスキ 21: イグアイン 46: ザニマッキア |
22: ザニオーロ 19: カリニッチ 8: ペロッティ ![]() |
ユベントスのサッリ監督は 4-3-3 を選択。ムラトーレ選手がレジスタに入り、左サイドはBチームのフラボッタ選手とザニマッキア選手がコンビを組む布陣で試合に臨みます。
対するローマのフォンセカ監督は 3-4-2-1 を選択。カリニッチ選手が1トップに入り、2列目にはザニオーロ選手とペロッティ選手。GK と左 WB はプリマベーラから選手を引き上げて試合を迎えます。
試合は立ち上がりの5分にユベントスが左 CK からニアでラビオがフリック。これをイグアインが左足で押し込んで1点を先制する。
対するローマは23分にペロッティが入れた左 CK をカリッチが頭で合わせて同点に追い付くことに成功する。
ユベントスは30分にマテュイディとのパス交換で抜け出したフラボッタがシュートを放つが、ポストのわずかに右。一方のローマは36分に右 CK がクリアされたところをカーラフィオーリが右足ボレーでネットを揺らすも、これは CK がゴールラインを割っており、ゴールは認められず。
それでもローマは43分にサイドから仕掛けたカーラフィオーリがダニーロに倒されて PK を獲得。これをペロッティがゴール右下に決めて逆転に成功。1-2 とローマがリードをして前半を終える。
後半で先にチャンスを得たのはローマ。49分にザニオーロからの横パスを受けたカリニッチが狙うも、これはシュチェスニーが CK に逃れる。
良い流れを掴んだローマは選手交代明け直後の52分にザニオーロがマテュイディをかわして一気に持ち上がると、ラストパスを受けたペロッティが右足で決めてリードを2点に広げる。
対するユベントスは59分にイグアインの折り返しにラムジーが上手くバウンドを合わせたシュートを放つが、左ポストに嫌われてしまう。その後は両チームの運動量が落ち、ローマがカウンターでチャンスを得るもシュートは決め切れず。
ユベントスは89分にムラトーレの浮き球フィードに反応したオリビエリが枠内シュートを打つが、これは GK フザートが好セーブ。結局、試合はこのまま 1-3 で終了。調整の意味合いが強い試合は前線でザニオーロが躍動したローマに軍配が上がった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
失点は CK、PK、味方に当たると不運な内容だった。他の枠内シュートは冷静なセーブを見せており、悪くはなかった。
DF: ダニーロ 5.5
状態への懸念を払拭できたことが大きな収穫。ただ、その一方でカーラフィオーリの仕掛けに手を焼き、PK を献上してしまったことがマイナスだった。
DF: ルガーニ 5.0
1失点目でマークに付いていたカリニッチに決められたことがマイナス。流れの中ではザニオーロに対応できていた唯一の DF だっただけに使い方の難しい選手であることが改めて浮き彫りになった。
DF: ボヌッチ 5.5
卒なくプレーをし、自身の調整は終了。“本番” でのパフォーマンスが期待される。
DF: フラボッタ 6.0
セリエAデビュー戦で縦への突破力と思い切りの良さを発揮。守備にも献身的で来季以降のさらなる飛躍を楽しみにさせる内容だった。
MF: ラビオ 6.0
ムラトーレを上手くフォローしながら、持ち味のテクニックで FW 陣をサポート。暑さによる疲労が感じられたが、状態の良さを保てていることが幸いである。
MF: ムラトーレ 6.0
フィジカルを活かしてボールを隠しながらレジスタとしてボールを散らす足元の技術力も披露した。さすがに試合終盤はガス欠になったが、内容は素晴らしいものだった。ボール奪取能力を磨くとアッズーリ入りも現実味を帯びるだろう。
MF: マテュイディ 5.5
周囲がBチーム所属の選手ばかりでサポートに神経を使う試合だったことは事実だが、対面する形になったザニオーロとのデュエルで劣勢となり、攻撃を制限できなかったことが痛かった。
FW: ベルナルデスキ 5.0
右サイドの攻撃ユニットは通常どおりだったが、決定機に関わることはできず。黒子役としては優秀ではあるものの、スポットライトを集める役割では難しいと言わざるを得ないだろう。
FW: イグアイン 6.5
先制点を決め、その後も貪欲にゴールを狙うなどの積極性があった。今日のようにイグアイン中心の攻撃パターンを構築するなら、来季も計算ができる存在だろう。だが、そうなる可能性は低く、最後の輝きだったと思われる。
FW: ザニマッキア 5.5
ピッコロ・クアドラード。右サイドでは得意の攻撃パターンを持っており、左サイドでも自らの型を作れるかが今後の鍵と言えるだろう。今日の試合を糧にして欲しい。
【交代選手など】
MF: ラムジー 6.0
51分にラビオとの交代で出場。右インサイドハーフとして働き、59分にはポスト直撃のシュートで状態の良さを示す。サッリ監督の序列は高いだけにコンディション維持が課題となるだろう。
DF: デミラル 6.0
ボヌッチに代わり、51分から出場機会を得る。直後にペロッティのシュートが出した右足に当たってゴールインという不運に遭遇するも、その後は安定したプレーを披露。トップコンディションに近づきつつあることを示した。
GK: ピンソーリョ ー
72分にシュチェスニーとの交代で出場する。カウンターを受けて冷や汗をかかされる場面があったが、的確なポジショニングでゴール前に立ちふさがる。恒例のご褒美出場となった。
FW: オリビエリ 6.0
ベルナルデスキに代わり72分から出場。左サイドを動き回り、89分にムラトーレのフィードに反応して枠内シュートを放つ。テベスのような勝負強さを付けると、トップチームでの居場所を作り出せるだろう。
FW: ヴリオーニ ー
イグアインとの交代で79分に出場し、セリエAデビューを果たす。緊張もあってかパスを受けた際のトラップが大きくポストプレーをすることにも苦労する。まずは平常心でのプレーを見せることになるだろう。
サッリ監督 5.5
選手がチームとして機能するコンビネーションはほとんどなく、そこがローマとの差になった。消化試合との位置付けである上、ほとんど起用しなかった選手に主力選手と遜色ない内容を求めるのは酷だろう。ただ、チャンピオンズリーグと来季に向けて不安を残したことは事実だ。
ロッキ主審 7.0
いつものロッキ主審が最後の試合を冷静に裁いた。PK の判定は妥当だったし、審判団としても良い仕事をしていた。