『スカイ・イタリア』によりますと、サッリ監督がユベントスへの加入が噂されるデ・リフト選手に “チームの説明” を電話で行ったとのことです。ただ、肝心のクラブ間交渉が停滞しており、移籍決定の見通しは出ていないと言えるでしょう。
■ 好感触を得たとの情報
イタリアのメディアは「サッリ監督が電話でデ・リフト選手とコンタクトを取り、両者ともに好感触を得た」と報じています。
サッリ監督はポゼッション型の指揮官ですし、デ・リフト選手が所属するアヤックスもポゼッション型のチームです。プレースタイルを大きく変更する必要はありませんから、好感触を得やすい状況にあったと言えるでしょう。
ただ、その一方でデ・リフト選手の保有権を持つアヤックスとのクラブ間交渉は停滞しています。この部分が解決されない限り、ユベントスがデ・リフト選手を獲得することはできないと考えられます。
■ アヤックスとの獲得交渉は停滞
ユベントスは「デ・リフト選手の移籍先の有力候補」と言われていますが、現状は「帯に短し襷に長し」の状況です。
- デ・リフト選手との交渉
- ユベントス:要望(= 年俸や契約解除条項)を丸呑み
- バルセロナ:要望に難色
- アヤックスとの交渉
- ユベントス:要求額(= 7500万ユーロ)に難色
- バルセロナ:要求を満たす用意あり
ユベントスは「選手の要望」を満たしているものの、所属先であるアヤックスが求める移籍金には難色を示しています。「5500万ユーロ+ボーナス1000万ユーロ」と低いオファーであり、合意を引き出すことができていないのです。(別の有力移籍先であるバルセロナはユベントスと逆の状況になっている)
「選手と条件面で合意に達している」との事実は移籍市場における強力なカードとして機能します。マロッタ前 GM が得意とする交渉戦術でしたから、それがパラティーチ CFO にも受け継がれているのでしょう。
ただ、今回の交渉では上手く機能しないことは想定内ですので、方針転換が必要となります。
■ マロッタ前 GM の交渉術は『バイエルン型の移籍交渉をするチーム』には通用しない
「選手との合意があれば、後は何とでもなる」という考えは正しいでしょう。しかし、これが通用しないケースもあります。
その代表例がバイエルン・ミュンヘンが使う「最初から適正な移籍金を設け、値引きには一切応じない」という交渉手法です。この場合は『選手との合意』を理由に「移籍金の値下げ」を要求するという手法は効力を発揮しません。
アヤックスは FFP に抵触する経営ではないため、今夏にデ・リフト選手の売却益を手にする必要はありません。
そのため、適正に設定された移籍金を割り引く必要性がなく、「ユベントスが移籍金を満額払えば済むこと」と譲歩に応じる意味はないのです。
ユベントスのフロント陣がデ・リフト選手の獲得にどれだけ本気なのかが問われていると言えるでしょう。どのような結末を迎えるのかに注目です。