2018/19 シーズンが終了ましたので、ユベントスの選手・監督等への評価を行いたいと思います。評価は A〜D の4段階、A が最高評価です。
最終回となる第5回目の評価対象は FW 陣です。
■ センターフォワード
クリスティアーノ・ロナウド(34): A
レアル・マドリードからユベントスに加入したロナウド選手の出場成績は下表のとおりです。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
後半戦 (出場時間率:69.3%) |
セリエA | 12 (12) | 7 (5) | 1054' |
UEFA CL | 4 (4) | 5 | 360' | |
イタリア杯 | 2 (1) | 0 | 118' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 1 | 90' | |
合計 | 19 (18) | 13 (5) | 1622' | |
後半戦の全試合 | 26 | ー | 2340' | |
全体 (出場時間率:79.4%) |
セリエA | 31 (30) | 21 (11) | 2689' |
UEFA CL | 9 (9) | 6 (2) | 749' | |
イタリア杯 | 2 (1) | 0 | 118' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 1 | 90' | |
合計 | 43 (41) | 28 (13) | 3646' | |
全試合 | 51 | ー | 4590' |
自身の個の能力を見せつけ、得点とアシストの双方で大きな存在感を発揮しました。加入初年度の内容としては十分と言えるでしょう。
来シーズンも「今季と同じ水準のパフォーマンス」が要求されることになります。要求を満たせる能力は十分に備わっていますし、上手く休養を得ながらシーズン終盤に大爆発できるかがポイントです。
周囲との連携が今季以上に向上し、攻撃陣がより迫力を増す結果となるかに注目です。
マリオ・マンジュキッチ(33): B+
ストライカーとして復調したマンジュキッチ選手の成績は次のとおりです。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
後半戦 (出場時間率:40.5%) |
セリエA | 9 (8) | 1 (3) | 717' |
UEFA CL | 3 (3) | 0 | 230' | |
合計 | 12 (11) | 1 (3) | 947' | |
後半戦の全試合 | 26 | ー | 2340' | |
全体 (出場時間率:56.6%) |
セリエA | 25 (23) | 9 (7) | 2021' |
UEFA CL | 8 (7) | 1 | 578' | |
合計 | 33 (30) | 10 (7) | 2599' | |
全試合 | 51 | ー | 4590' |
公式戦10得点7アシストは立派ですが、前半戦で9得点4アシストと後半戦は完全にブレーキがかかった状態になってしまっていました。そのため、「評価が難しい選手」と言わざるを得ないでしょう。
アッレグリ監督が退任したため、高い評価を得ていたマンジュキッチ選手は岐路を迎えていることは確かです。「来季も今季後半戦と同じ内容」と判断するなら、今夏の移籍市場で “換金” すべきです。
「最前線で身体を張るファイター型の CF」を新監督がどう評価するのかが注目点です。
モイゼ・ケーン(19): A-
今季後半戦で大きく飛躍したケーン選手の出場成績は以下です。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
後半戦 (出場時間率:27.8%) |
セリエA | 12 (5) | 6 (1) | 533' |
UEFA CL | 2 | 0 | 55' | |
イタリア杯 | 1 (1) | 1 | 62' | |
合計 | 15 (6) | 7 (1) | 650' | |
後半戦の全試合 | 26 | ー | 2340' | |
全体 (出場時間率:14.4%) |
セリエA | 13 (5) | 6 (1) | 533' |
UEFA CL | 3 | 0 | 66' | |
イタリア杯 | 1 (1) | 1 | 62' | |
合計 | 17 (6) | 7 (1) | 661' | |
全試合 | 51 | ー | 4590' |
前半戦はほとんど起用されませんでしたが、後半戦に限っての出場時間率は 27.8%。チーム内での立ち位置を確立することができたと言えるでしょう。
リーグ戦4試合連続ゴールで爆発力を示しており、来季も一定の出場時間を与えられるべき選手です。ただ、相手チームからのマークが厳しくなることが予想されるため、「プレーの質を向上させること」が目標になります。
具体的には「ポストプレーの質」や「サイドに開いた際のドリブルやパスの質」が改善点です。新監督を迎える 2019/20 シーズンでも成長曲線を描き続けることができるのかに注目です。
■ ウィンガー or トップ下
パウロ・ディバラ(25): B+
ディバラ選手が今シーズンに記録した成績は次のとおりです。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
後半戦 (出場時間率:50.2%) |
セリエA | 13 (9) | 3 (3) | 847' |
UEFA CL | 4 (2) | 0 | 163' | |
イタリア杯 | 2 (1) | 0 | 75' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 90' | |
合計 | 20 (13) | 3 (3) | 1175' | |
後半戦の全試合 | 26 | ー | 2340' | |
全体 (出場時間率:61.4%) |
セリエA | 30 (24) | 5 (6) | 2137' |
UEFA CL | 9 (6) | 5 | 518' | |
イタリア杯 | 2 (1) | 0 | 75' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 90' | |
合計 | 42 (32) | 10 (6) | 2820' | |
全試合 | 51 | ー | 4590' |
ゴール近くで決定的な仕事を担った昨シーズンと比較すると、ゴールとアシストが大きく減少しました。これは「リンクマンとしての仕事を期待されたことも影響していた」と言えるはずです。
去就騒動が起きていますが、新監督がディバラ選手の能力をどう評価するか次第でしょう。「新監督の下でディバラ選手が自信を持ってプレーし、ロナウド選手との共存が成り立つか」が注目点です。
ドウグラス・コスタ(28): C
D・コスタ選手が残した今季の成績は下表です。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
後半戦 (出場時間率:17.7%) |
セリエA | 3 (3) | 1 | 190' |
UEFA CL | 1 | 0 | 30' | |
イタリア杯 | 2 (1) | 0 | 105' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 89' | |
合計 | 7 (5) | 1 | 414' | |
後半戦の全試合 | 26 | ー | 2340' | |
全体 (出場時間率:21.1%) |
セリエA | 17 (7) | 1 (2) | 618' |
UEFA CL | 5 (1) | 0 | 157' | |
イタリア杯 | 2 (1) | 0 | 105' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 89' | |
合計 | 25 (10) | 1 (2) | 969' | |
全試合 | 51 | ー | 4590' |
チームに貢献したとは言いがたく、負傷離脱を繰り返したことも大きなマイナスです。また、高給取りですから今季の成績では放出は止むを得ない状況となっています。
しかし、ウィンガーとしての実力は世界屈指です。そのため、新監督が戦力と見なして残留を要請するなら、序列が変わる可能性は十分に残されています。
新監督と選手の意向次第で立ち位置が大きく変わる可能性がある選手と言えるでしょう。
ファン・クアドラード(31): B
クアドラード選手が記録した 2018/19 シーズンの出場成績は以下のとおりです。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
後半戦 (出場時間率:26.3%) |
セリエA | 7 (7) | (1) | 615' |
合計 | 7 (7) | (1) | 615' | |
後半戦の全試合 | 26 | ー | 2340' | |
全体 (出場時間率:33.8%) |
セリエA | 18 (14) | 1 (3) | 1224' |
UEFA CL | 5 (4) | (1) | 328' | |
合計 | 23 (18) | 1 (3) | 1552' | |
全試合 | 51 | ー | 4590' |
前半戦はアッレグリ監督に重宝されていたものの、後半戦は負傷で棒に振る時間が長くなりました。ただ、右サイドであれば DF / MF / FW のどこでもプレーする柔軟性を持ち合わせています。
この部分を新監督がどう評価するかでクアドラード選手の去就が決まることになると考えられます。現行契約が2020年までですから、フロント陣は今夏に判断を下す必要があるからです。
能力を高く買っていたアッレグリ監督がチームを離れたことがどのように影響するのかに注目です。
フェデリコ・ベルナルデスキ(25): B+
ベルナルデスキ選手の2シーズン目は以下の成績でした。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
後半戦 (出場時間率:67.2%) |
セリエA | 17 (11) | (3) | 1119' |
UEFA CL | 4 (3) | (2) | 270' | |
イタリア杯 | 2 (2) | 1 | 180' | |
SuperCoppa | 1 | 0 | 4' | |
合計 | 24 (16) | 1 (5) | 1573' | |
後半戦の全試合 | 26 | ー | 2340' | |
全体 (出場時間率:48.1%) |
セリエA | 28 (14) | 2 (4) | 1470' |
UEFA CL | 8 (6) | (2) | 552' | |
イタリア杯 | 2 (2) | 1 | 180' | |
SuperCoppa | 1 | 0 | 4' | |
合計 | 39 (22) | 3 (6) | 2206' | |
全試合 | 51 | ー | 4590' |
前半戦の出場時間は十分とは言えなかったものの、負傷者が相次いだ後半戦は出場時間を伸ばすことに成功しました。
ポジションを争うライバルであるディバラ選手やD・コスタ選手にはない「フィジカル」や「上下動の繰り返しに耐えられる持久力」を活かしたアピールができています。今季はフルパワーのシュートが枠の上へと外れる場面が散見されましたので、この点を改善することが来季の課題となるでしょう。
ゴールやアシストの数であったり、チャンスを作った回数が多くなるほどレギュラーの座は揺るぎなくなります。新監督の下でベルナルデスキ選手の立ち位置がどのように変化するのかに注目です。