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ユベントスの選手・監督等に対する通信簿 【DF編 2019/20 シーズン前半戦】

 2019/20 シーズンの前半戦が終了しましたので、ユベントスの選手・監督への評価を行いたいと思います。評価は A〜D の4段階、A が最高評価です。 第3回目の評価対象は DF 陣です。

画像:守備陣で存在感を発揮したデミラル
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■ センターバック

ジョルジョ・キエッリーニ(35): C

 主将を務めるキエッリーニ選手が 2019/20 シーズン前半戦に記録した出場成績は以下のとおりです。

表1: キエッリーニ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:4.2%)
セリエA 1 (1) 1 90'
合計 1 (1) 1 90'
前半戦の全試合 24 2160'

 キエッリーニ選手が出場したのは開幕節パルマ戦のみ。その後の練習中に前十字靭帯を断裂し、復帰は2020年3月の予定となっています。そのため、選手としてチームに貢献することはできませんでした。

 後半戦に期待されるのは「戦線に復帰すること」です。「どのぐらいのコンディションにまで回復しているか」が評価対象になるのはそれからでしょう。

 年齢面を考慮すると、経験豊富なベテラン選手としてのサポート役が務めるかが注目点になると思われます。

 

マタイス・デ・リフト(20): B-

 アヤックスから加入したデ・リフト選手の出場記録は次のとおりです。

表2: デ・リフト選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:67.3%)
セリエA 13 (12) 1 1094'
UEFA CL 4 (4) 0 360'
合計 17 (16) 1 1454'
前半戦の全試合 24 2160'

 20歳という年齢からすれば、「良くやっている」との評価を受けるべきでしょう。しかし、獲得に7500万ユーロの移籍金を要した上、年俸もロナウド選手に次ぐ水準です。

 したがって、費用対効果の点では「手放しに称賛できる水準には達していない」との厳しい評価が下される必要があります。

 後半戦での課題は「アタランタ戦やアトレティコ戦で見せた “最高のパフォーマンス” を継続すること」です。それができなければ、ベンチウォーマーになることも十分あり得ると言えるでしょう。

 

レオナルド・ボヌッチ(32): B-

 ボヌッチ選手が今季前半戦で記録した成績は下表のとおりです。

表3: ボヌッチ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:95.2%)
セリエA 17 (17) 3 1516'
UEFA CL 5 (5) 0 450'
SuperCoppa 1 (1) 0 90'
合計 23 (23) 3 2056'
前半戦の全試合 24 2160'

 アッレグリ前監督を “追放” したことで立場が好転した選手の1人と言えるでしょう。サッリ監督から「絶対に外せない主力」と位置付けられ、クラブとの契約も1年延長して2024年までとなったからです。

 しかし、ピッチ面でのパフォーマンスは評価できるものではありません。なぜなら、1試合当たりの失点数がアッレグリ監督時代と比較して明らかに増加しているからです。

 ボヌッチ選手がミランに在籍していた 2017/18 シーズンのユベントスの1試合当たりの失点数は 0.63 失点。復帰後の 2018/19 シーズンは 0.79 点。今季は1点と年々悪化しています。このピッチ上での成績は批判されるべきですし、称賛を得る水準に達していないと言えるはずです。

 後半戦は「どのぐらい起用されるのか」が注目点です。実力的な伸びシロは残されていませんし、クロス時にマークを外してしまうなど守備力の低下を隠し切れなくなっているからです。ボヌッチ選手の立場が変化するのかに注目です。

 

ダニエレ・ルガーニ(25): C

 ルガーニ選手が 2019/20 シーズン前半戦に残した成績は次のとおりです。

表4: ルガーニ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:12.5%)
セリエA 2 (2) 0 180'
UEFA CL 1 (1) 0 90'
合計 3 (3) 0 270'
前半戦の全試合 24 2160'

 開幕直前にセンターバックの序列が5番手までに転落したことで出場機会は極めて限定的でした。キエッリーニ選手が負傷離脱していた関係で4番手の扱いでしたが、後半戦では出場時間を減らすことが濃厚です。

 したがって、1月の移籍市場で新天地へと旅立つ可能性が高いと思われます。

 ただ、DF ラインを高く保つサッリ監督が目指すスタイルを極めるのであれば、放出に踏み切るのは大きなマイナスです。なぜなら、背後のスペースをケアする能力はデミラル選手と同様に高いタイプの選手だからです。

 後半戦での捲土重来に期待したい選手の1人なのですが、クラブ(・フロント陣)の意向に合致しないため、チームを離れることになると考えられます。

 

メリフ・デミラル(21): A

 今夏サッスオーロからユベントスに加入したデミラル選手の 2019/20 シーズン前半戦における出場成績は以下のとおりです。

表5: デミラル選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:20.8%)
セリエA 3 (3) (1) 270'
UEFA CL 1 (1) 0 90'
SuperCoppa 1 (1) 0 90'
合計 5 (5) (1) 450'
前半戦の全試合 24 2160'

 出場時間率では 20% 強に留まりましたが、出場した試合で見せつけた守備力は DF 陣の中で No.1 と言えるでしょう。

 9月末の第4節ベローナ戦の後は出場機会に全く恵まれなかったものの、12月のレバークーゼン戦で出場機会を得ると、公式戦4試合連続フル出場で持ち味を存分に発揮しました。『ハイライン』を敷く上では欠かせない選手ですので、「立場」が後半戦での注目点になります。

 課題は「積極性が裏目に出ないように上手く自重する術を身に付けること」です。相手の挑発に応戦してイエローカードをもらってしまうケースは回避したいところですから、キエッリーニ選手のような老獪さを身に付けることが求められていると言えるでしょう。

 

■ サイドバック

マッティア・デ・シリオ(27): B-

 デ・シリオ選手が残した出場成績は下表のとおりです。

表6: デ・シリオ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:28.6%)
セリエA 6 (5) 0 383'
UEFA CL 2 (2) 0 180'
SuperCoppa 1 (1) 0 55'
合計 9 (8) 0 618'
前半戦の全試合 24 2160'

 今季も負傷で戦力になったとは言い難い状況でした。現状は「A・サンドロ選手の控え」という立場に甘んじており、状況を変えられるアピール要素が見当たらないことが懸念点と言えるでしょう。

 しかし、その一方で「人件費がリーズナブルな選手」という強みがあることも事実です。両サイドバックでプレーできますし、不満分子とならないのであればチームに残す必要のある選手です。

 後半戦は「負傷離脱することなく、主力選手を休ませる縁の下の力持ちとして貢献できるのか」に注目です。

 

アレックス・サンドロ(28): A-

 A・サンドロ選手が 2019/20 シーズンの前半戦で記録した成績は次のとおりです。

表7: アレックス・サンドロ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:74.6%)
セリエA 13 (13) (3) 1162'
UEFA CL 4 (4) (1) 360'
SuperCoppa 1 (1) 0 90'
合計 18 (18) (4) 1612'
前半戦の全試合 24 2160'

 左サイドバックの主力選手としてサッリ監督の下でも期待された仕事を果たしていると言えるでしょう。ブラジル代表の主力としてもプレーしているため、ユベントスでの起用は出場時間の 70% 前後に抑えたいところです。

 後半戦に求められるのは「左 MF に入る選手とのコンビネーションの向上」になります。マテュイディ選手との連携については成熟していますが、新加入のラビオ選手とは攻守において精度を高める必要があるからです。

 プレーのクオリティーが大崩れするタイプではありませんので、コンディション面が重要になるでしょう。「シーズン全体で2桁のアシスト数を記録できるのか」に注目です。

 

ダニーロ(28): C

 カンセロ選手とのトレードの形でマンチェスター・シティからユベントスに加入したダニーロ選手が残した成績は以下のとおりです。

表8: ダニーロ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2019/20
(出場時間率:40.0%)
セリエA 8 (6) 1 503'
UEFA CL 4 (4) 0 360'
合計 12 (10) 1 863'
前半戦の全試合 24 2160'

 デビュー戦となったナポリ戦で “ビギナーズラック” に恵まれてレギュラーの座も手にしたものの、負傷によって序列を下げてしまう結果となりました。コストパフォーマンスを加味すると、「失敗補強」として批判されても止むを得ない状況です。

 後半戦の課題は「ピッチ上のパフォーマンスでレギュラーの座を奪還すること」です。

 高額な移籍金や年俸に見合った貢献をピッチ上でしてくれなければ、チーム内に不穏な空気が流れる要因になってしまいます。「実力を示す機会」は前半戦から十分に与えられているのですから、期待に応えることが要求されていると言えるでしょう。

 ユベントスのフロント陣に見る目があったのかが示されることになる後半戦で見せるパフォーマンス内容に注目です。