2018年の冬の移籍市場が近づいてきたこともあり、『トゥット・スポルト』が「ユベントスが保有権を持つ期待の若手10選手」を記事にしていましたので紹介いたします。
なお、算出価格は少し高めに見積もられている可能性があるという前提で見ておくべきでしょう。選出された10選手は下表のとおりです。
選手名 | 算出価格 | 契約期間 | |
---|---|---|---|
GK | アウデーロ (20, ベネチア) |
500万ユーロ | 2021 |
DF | カルダラ (23, アタランタ) |
2800万ユーロ | 2021 |
ポル・リロラ (20, サッスオーロ) |
1500万ユーロ | 2020 | |
マッティエッロ (22, SPAL) |
700万ユーロ | 2019 | |
スピナッツォーラ (24, アタランタ) |
3000万ユーロ | 2018 | |
MF | マンドラゴラ (20, クロトーネ) |
1500万ユーロ | 2021 |
オルソリーニ (20, アタランタ) |
1200万ユーロ | 2021 | |
テージョ (21, バーリ) |
500万ユーロ | 2019 | |
FW | チェッリ (21, ペルージャ) |
1100万ユーロ | 2020 |
モイゼ・ケーン (17, ベローナ) |
1700万ユーロ | 2020 |
対象は「セリエAかセリエBに所属し、ユベントスが保有権を持つ若手選手」です。中でも、『クラブ育成選手』の資格を満たすアウデーロ、マッティエッロ、モイゼ・ケーンの3選手の成長度合いは継続的にチェックしておく必要があると言えるでしょう。
トゥット・スポルトが選出した若手有望選手に対する寸評は次のとおりです。
GK
アウデーロ選手は昨季最終節のボローニャ戦でセリエAデビューを果たし、今季はベネチア(セリエB)に活躍の場を求め、ローン移籍をしています。
そのベネチアはセリエBで19節を終えて、首位パレルモと勝点差7の8位。アウデーロ選手は正 GK として、U-21 イタリア代表に招集された時以外はゴールマウスを守っています。U-21 でもスクフェット選手とポジション争いをしており、良い成長曲線を保っていると言えるでしょう。
ただ、GK という特殊なポジションですから、来季もプレー機会の確保を優先させたいところです。したがって、来季ユベントスで第2GK を務めるという可能性は現時点では低いと予想されることでしょう。
DF
DF ではアタランタに所属するカルダラ選手とスピナッツォーラ選手の評価が抜きん出ています。両選手とも来季のチーム編成に名を連ねることは確定的ですし、復調の兆しを見せているドルトムントとの試合で結果を残すことができるかが注目点です。
ポル・リロラ選手は(現・ローマ監督の)ディ・フランチェスコ監督の陶酔を受け、サッスオーロに加入した1年目に右 SB の主力として大きく評価を高めました。今季はガッツォーラ選手とのポジション争いが激しくなっていますが、その中で昨季同様のプレーを見せれるかがポイントになるでしょう。
ユベントスのクラブ育成選手であるマッティエッロ選手は SPAL で左 WB として第10節のユベントス戦からポジションを確保し続けています。ユーティリティー性の高い選手ですので、シーズンを通してプレーすることが評価を高めることに直結すると言えるでしょう。
MF
MF ではクロトーネで主力選手のポジションを確保しているマンドラゴラ選手が高評価を受けています。監督交代があった中でも立場は揺らいでおらず、自信を付けた状態でユベントスの登録選手枠争いに名乗りをあげるプレーを見せ続けることができるかが鍵になります。
その一方で、今季からアタランタに2年ローンで移籍したオルソリーニ選手は苦しんでいます。アレハンドロ・ゴメス、イリチッチ、クルティッチの3選手が2つのポジションを争っている状況に割って入ることが求められているからです。もしかすると、冬の移籍市場でプレー機会を求めて退団を決意するかもしれません。
2014/15 シーズンにユベントスのプリマベーラに加入したテージョ選手は今季はセリエBのバーリでグロッソ監督に重宝され、セリエA昇格争いをするチームで主力となっています。中盤で動ける型の選手であり、プレーのクオリティーを高めることで評価も上昇することが期待される選手です。
FW
FW はペルージャ(セリエB)に所属するチェッリ選手が候補としてあげられています。昨季ペスカーラで示した才能を今季はペルージャで完全開花させることが期待されたのですが、自身の負傷とチームの不調で不完全燃焼となっています。後半戦に真価を発揮できるかが注目点です。
最後はベローナに所属する17歳のモイゼ・ケーン選手です。鳴り物入りでデビューし、一定のプレー機会も手にしていますが、得点という結果が求められる CF としては「未完の大器」という状況です。決定機を活かし切ることが来季以降の立ち位置に大きく影響しますので結果をどれだけ残せるかがポイントでしょう。
ユベントスのフロント陣は「有望な若手選手」を育成し、「チームの登録枠に入れるのか、それとも売却するのか」を決断することが遅かれ早かれ求められます。ただ、まずは有望な若手選手を数多く育成できなければ、そのような “贅沢な悩み” で頭を抱えることもないのです。
期待が寄せられている若手有望選手がどのように成長するのかに注目です。