2016/17 シーズンの公式戦を終えたこともあり、ユベントスの選手・監督への評価を続けたいと思います。評価は A〜D の4段階で、Aが最高評価という扱いです。
第3回の評価対象は MF です。なお、第1回目の GK・監督編はこちら、第2回の DF 編はこちら、最終回となる第4回 FW 編はこちらです。
ミラレム・ピアニッチ(27) :A
加入初年度でシーズン前半は適応に苦しんだものの、徐々にフィットし、4-2-3-1 にシステムが変更された後は安定したパフォーマンスを披露したシーズンでした。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2016/17 | セリエA | 30 (25) | 5 (11) | 2170' |
UEFA CL | 12 (11) | 1 (3) | 908' | |
イタリア杯 | 4 (3) | 2 | 282' | |
SuperCoppa | 1 (1) | (1) | 67' | |
合計 | 47 (40) | 8 (15) | 3427' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:62.3%) |
セリエA | 16 (12) | (5) | 1124' |
UEFA CL | 6 (6) | (1) | 519' | |
イタリア杯 | 3 (2) | 1 | 200' | |
合計 | 25 (20) | 1 (6) | 1843' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
契約は2021年まで。中盤でボールを動かし、リズムを作り出すという点でクオリティーを大きく引き上げました。来季はレギュラーが約束された状態でスタートすることになるでしょう。
チームを離れる可能性はヴェッラッティ選手がユベントスに加入した場合など、ごくわずかなケースに限定されると思われます。技術志向を強めるチームで来季以降も輝き続けることが期待される選手と言えるはずです。
サミ・ケディラ(30) :A+
怪我明けで慎重に起用されていた先シーズンとは異なり、今シーズンは中盤でフル稼働した上で高いクオリティーを発揮しました。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2016/17 | セリエA | 31 (31) | 5 (3) | 2551' |
UEFA CL | 11 (11) | 0 | 895' | |
イタリア杯 | 3 (3) | 0 | 270' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 120' | |
合計 | 46 (46) | 5 (3) | 3836' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:72.7%) |
セリエA | 15 (15) | 2 (1) | 1233' |
UEFA CL | 6 (6) | 0 | 460' | |
イタリア杯 | 3 (3) | 0 | 270' | |
合計 | 24 (24) | 2 (1) | 1963' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
契約は2019年まで。契約延長を期待したいのですが、将来的に MLS (アメリカ)でのプレーに関心があるとのコメントを発表するなど契約満了後にチームを離れるというシナリオが最も現実味があると言えます。
中盤の大黒柱として君臨しており、来季も同じ活躍が期待されます。出場時間についても、今季後半戦と同じ 70% 前後が目安になります。ケディラ選手の後継者を上手く育てることができるかが鍵となるでしょう。
クラウディオ・マルキージオ(31) :A-
前十字靭帯断裂から復帰し、中盤の貴重な “切り札” として活躍を見せたシーズンでした。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
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2016/17 | セリエA | 18 (15) | 1 (3) | 1261' |
UEFA CL | 8 (5) | 1 (1) | 528' | |
イタリア杯 | 2 (2) | 0 | 135' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 120' | |
合計 | 29 (23) | 2 (4) | 2044' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:40.4%) |
セリエA | 11 (9) | 1 (2) | 728' |
UEFA CL | 5 (2) | 0 | 274' | |
イタリア杯 | 1 (1) | 0 | 90' | |
合計 | 17 (12) | 1 (2) | 1092' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
契約は2020年まで。『ユース出身枠』の条件を満たす貴重な戦力であり、放出は絶対にできない選手です。ただ、プレー機会が限定されると移籍を考えることはプロ選手として自然なことです。そのため、ボランチのポジションを確保できるかが来シーズンの注目点となるでしょう。
新シーズンはプレシーズンのトレーニングから全体練習に参加することができます。レギュラー格と見なされる選手はいずれも特長が異なるため、持ち味を発揮し、チームの底上げに貢献することが期待されます。
フェデリコ・マッティエッロ(21) :C
トップチームに登録はされているものの、出場機会を掴み取るまでには至らなかったシーズンとなりました。(プリマベーラでは7試合に出場)
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
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2016/17 | 合計 | 0 | 0 | 0' |
2014/15 シーズンのキエーボ時代にナインゴラン選手との衝突で骨折、翌 2015/16 シーズンも怪我でシーズンを棒に振るなど不完全燃焼が続いたシーズンでした。
契約は2019年までですが、マルキージオ選手と同じ『ユース出身枠』を満たす資格を有しています。そのため、来季はセリエA(もしくはセリエB)にローン移籍して経験を積み、ユベントスの戦力として計算できる選手に成長することが求められていると言えるでしょう。
マリオ・レミナ(23) :B-
マルキージオ選手が負傷離脱していたシーズン前半戦はチャンスを手にしていたものの、復帰後は出場機会が激減。飛躍する機会を活かし切れなかったシーズンと言えるでしょう。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2016/17 | セリエA | 19 (8) | 1 (1) | 899' |
UEFA CL | 7 (3) | 0 | 270' | |
イタリア杯 | 2 (0) | 0 | 16' | |
SuperCoppa | 1 (0) | 0 | 41' | |
合計 | 29 (11) | 1 (1) | 1266' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:11.7%) |
セリエA | 9 (2) | 1 | 263' |
UEFA CL | 4 | 0 | 36' | |
イタリア杯 | 2 | 0 | 16' | |
合計 | 15 (2) | 1 | 315' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
2020年までの契約を有していますが、シーズン後半戦の出場時間率は約10%。あまり戦力として計算されていない状況でした。
ダブルボランチではなく、中盤インサイドハーフで持ち味を発揮する選手です。獲得オファーが届いたのであれば、移籍に向けた交渉の席に着く意味はあると言えるでしょう。
足元の技術に自信を持っており、自陣エリアの深い位置でもリスクの高いプレーを選択してしまう傾向があります。そのため、適切なリスクマネジメントができるかがユベントスでポジションを得る鍵になるでしょう。出場機会を含め、選手がどのような判断を下すのかが注目点です。
ステファノ・ストゥラーロ(24) :B
EURO 2016 での怪我で出遅れたものの、中盤に活力をもたらす選手としてチームに貢献したシーズンでした。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2016/17 | セリエA | 21 (12) | (2) | 1034' |
UEFA CL | 4 (1) | (1) | 139' | |
イタリア杯 | 2 (1) | 0 | 130' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 79' | |
合計 | 29 (15) | (4) | 1427' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:20.8%) |
セリエA | 9 (6) | 0 | 476' |
イタリア杯 | 1 (1) | (1) | 86' | |
合計 | 10 (7) | (1) | 562' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
2021年までの契約を持っていることからも、来季は今シーズン以上に出場期間を増やし、チームに欠かせない選手に成長することが期待される選手と言えるでしょう。
インサイドハーフだけでなく、ワイドやピアニッチ選手とのボランチでも起用できるクオリティーを示しました。ペナルティエリアに近い位置で攻守に正確なプレーをすることが求められます。
プレシーズンで期待されている能力の片鱗を見せることができるかが注目点です。
トマス・リンコン(29) :B-
1月に加入し、守備固めの役割を担う形でチームに貢献しました。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2016/17 | セリエA | 13 (2) | (1) | 300' |
UEFA CL | 3 (0) | 0 | 30' | |
イタリア杯 | 3 (3) | 0 | 250' | |
合計 | 19 (5) | (1) | 580' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:17.3%) |
セリエA | 10 (2) | (1) | 278' |
UEFA CL | 3 (0) | 0 | 30' | |
イタリア杯 | 2 (2) | 0 | 160' | |
合計 | 15 (4) | (1) | 468' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
契約は2020年まで。今季はチームへの速やかな適応が求められたシーズンであり、来季はチームメイトとの高度な連携を上乗せすることが期待されることになるでしょう。
ただ、放出不可能な選手ではありません。そのため、ウィンガー型の選手を獲得する際のトレード要員となることも選択肢として存在するだけに移籍の可能性はあると思われます。
ロランド・マンドラゴラ(19) :C
中足骨の骨折から復帰にほとんどを費やしたシーズンとなりました。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
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セリエA 第21節以降 (出場時間率:0.1%) |
セリエA | 1 (0) | 0 | 4' |
合計 | 1 (0) | 0 | 4' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
トップチームでの出場は第33節のジェノア戦のみ。2021年までの契約を持っており、来季は出場機会を積み重ねるためにローン移籍の可能性は十分にあると言えるでしょう。
ジャカ選手(アーセナル)のように中盤からボールを配給し、フィジカルも活かした守備を持ち味にできる選手に成長することが期待されます。そのためのプレー時間をどのクラブで積み重ねることになるのかに注目です。