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ユベントスの選手・監督に対する通信簿 【DF編 2016/17】

 2016/17 シーズンの公式戦を終えたこともあり、ユベントスの選手・監督への評価を続けたいと思います。評価は A〜D の4段階で、Aが最高評価という扱いです。

画像:アレックス・サンドロ

 第2回の評価対象は DFです。なお、第1回目の GK・監督編はこちら、第3回の MF 編はこちら、最終回となる第4回 FW 編はこちらです。

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センターバック

ジョルジョ・キエッリーニ(32) :A-

 負傷で離脱したことはあったものの、週1試合のペースであれば、問題なくプレーできることを示したシーズンとなりました。

表1:キエッリーニ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2016/17 セリエA 21 (20) 2 (2) 1637'
UEFA CL 9 (8) 1 723'
イタリア杯 2 (2) 0 180'
SuperCoppa 1 (1) 1 120'
合計 33 (31) 4 (2) 2660'
全試合 57 5160'
セリエA
第21節以降
(出場時間率:46.1%)
セリエA 7 (7) 0 524'
UEFA CL 6 (6) 1 540'
イタリア杯 2 (2) 0 180'
合計 15 (15) 1 1244'
全試合 30 2700'

 シーズン後半戦は重要度の高い試合を週1試合のペースでプレーし、結果を残しました。今年8月に33歳となることに加え、契約が2018年までとなっています。

 そのため、契約延長の行方が注目と言えるでしょう。戦力として計算ができる選手であるだけに、移籍となった場合に代役となる選手を確保することは簡単なことではないと思われます。

 

メディ・ベナティア(30) :B

 バイエルンからローン移籍で加入し、完全移籍のオプションが行使され、来季以降もチームに留まることとなりました。チャンスを活かすことができたシーズンと言えるでしょう。

表2:ベナティア選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2016/17 セリエA 15 (14) 1 1183'
UEFA CL 5 (2) 0 183'
イタリア杯 1 (1) 0 90'
合計 21 (17) 1 1456'
全試合 57 5160'
セリエA
第21節以降
(出場時間率:29.9%)
セリエA 8 (7) 1 652'
UEFA CL 2 (1) 0 65'
イタリア杯 1 (1) 0 90'
合計 11 (9) 1 807'
全試合 30 2700'

 前半戦でも出場機会が与えられていたのですが、負傷や第14節ジェノア戦の出来などでチャンスを逃したことに加え、アフリカ・ネイションズカップに参加したことで CB の序列が5番手となっていました。

 しかし、2月下旬に与えられたチャンスを結果を残し、ルガーニ選手の負傷もあり、ターンオーバーで巡ってきた出場機会で結果を残したと言えるでしょう。2020年までの契約を締結したこともあり、来季は CB として出場時間を伸ばすことできるのかに注目です。

 

アンドレア・バルザーリ(36) :A-

 年齢を感じさせないパフォーマンスを CB や SB で披露したシーズンでした。

表3:バルザーリ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2016/17 セリエA 23 (17) 0 1529'
UEFA CL 11 (8) 0 715'
イタリア杯 5 (4) 0 374'
合計 39 (29) 0 2618'
全試合 57 5160'
セリエA
第21節以降
(出場時間率:44.7%)
セリエA 10 (6) 0 546'
UEFA CL 7 (4) 0 377'
イタリア杯 4 (3) 0 284'
合計 21 (13) 0 1207'
全試合 30 2700'

 キエッリーニ選手と同様に “強固な守備陣” の一角として機能したと言えるでしょう。ただ、稼働状況を高めることは非現実的です。そのため、計算できるバックアップ選手としての立ち位置とするだけのパフォーマンスを他の選手を見せることができるかが焦点です。

 バルザーリ選手の契約は2018年まで。世代交代は必須ですが、良いパフォーマンスを続けるバルザーリ選手からポジションを奪う選手が出てくるかが注目点です。

 

レオナルド・ボヌッチ(30) :A

 第14節ジェノア戦で負傷離脱したものの、それ以外の試合ではフル稼働でチームに貢献したシーズンでした。

表4:ボヌッチ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2016/17 セリエA 29 (26) 3 2405'
UEFA CL 11 (11) 1 (1) 968'
イタリア杯 5 (4) 1 368'
合計 45 (41) 5 (1) 3741'
全試合 57 5160'
セリエA
第21節以降
(出場時間率:84%)
セリエA 16 (15) 2 1368'
UEFA CL 6 (6) 0 540'
イタリア杯 4 (4) 1 360'
合計 26 (25) 3 2268'
全試合 30 2700'

 負傷から復帰直後の何試合かは内容は思わしくなかったのですが、コンディションが整ってからはチームの屋台骨として君臨しました。2021年まで契約を延長したにもかかわらず、プレミア勢が関心を示していることがその証明と言えます。

 ボヌッチ選手が DF リーダーであることに異論の余地はないでしょう。シーズン後半戦の出場時間率で留める必要がありますので、上手く休養を与えることが要求されます。

 もし、ボヌッチ選手が移籍を希望した場合、ユベントスの DF 陣は再整備を余儀なくされます。万が一の場合に備えての準備をしておく必要がある選手と言えるでしょう。

 

ダニエレ・ルガーニ(22) :B

 シーズン中盤でコンスタントに出場機会を得て、信頼を積み重ねたものの、序盤と終盤での負傷でポジションを掴み取るまでには至らなかったという評価が適切だと思われます。

表5:ルガーニ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2016/17 セリエA 15 (11) 2 1078'
UEFA CL 2 (2) 1 180'
イタリア杯 2 (2) 0 180'
SuperCoppa 1 (1) 0 120'
合計 20 (16) 3 1558'
全試合 57 5160'
セリエA
第21節以降
(出場時間率:23.3%)
セリエA 7 (5) 0 540'
イタリア杯 1 (1) 0 90'
合計 8 (6) 0 630'
全試合 30 2700'

 2021年までの契約を持つルガーニ選手は DF 陣の主力になることが期待されており、来季はさらなる飛躍が求められます。バルザーリ選手やキエッリーニ選手を適度に休ませる必要があることからチャンスを活かしきれるかポイントになるでしょう。

 U-21 欧州選手権で CB を組むカルダラ選手とともに良いコンビネーションを見せておくことがレギュラー争いに向けたアピールになると思われます。40% 弱の出場時間率を記録した上で安定したパフォーマンスを見せることが要求されていると言えるでしょう。

 

サイドバック

アレックス・サンドロ(26) :A+

 エヴラ選手から左サイドのポジションを奪い取り、攻守において大きな存在感を発揮したシーズンとなりました。

表6:アレックス・サンドロ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2016/17 セリエA 27 (25) 3 (4) 2309'
UEFA CL 11 (9) (1) 854'
イタリア杯 4 (2) (2) 220'
SuperCoppa 1 (1) 0 33'
合計 43 (37) 3 (7) 3416'
全試合 57 5160'
セリエA
第21節以降
(出場時間率:58.5%)
セリエA 9 (8) 2 (1) 730'
UEFA CL 7 (7) (1) 630'
イタリア杯 4 (2) (2) 220'
合計 20 (17) 2 (4) 1580'
全試合 30 2700'

 契約は2020年まであるのですが、資金力のあるプレミア勢などの関心が常に報じられている状況です。選手自身が移籍を希望し、6000万ユーロを超える移籍金が提示される状況となれば、引き止めは極めて難しくなることが予想されます。

 出場時間としては理想的な状況と言えるでしょう。ブラジル代表にも今後は招集される機会が増えると考えられるため、代表戦の後に休養を入れ、疲労の蓄積を避ける形での起用が期待されます。

 移籍となった場合の穴が大きすぎる選手ですので、チームに引き止めることができるかが最大の焦点になっていると言えるでしょう。

 

クワドォ・アサモア(28) :B

 ひざの負傷からの復帰に時間を要したものの、SB を主戦場にしたシーズン中盤以降は継続的にプレーし、アレックス・サンドロ選手を刺激する存在となりました。

表7:アサモア選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2016/17 セリエA 18 (16) (2) 1470'
UEFA CL 3 (2) 0 160'
イタリア杯 3 (3) 0 253'
合計 24 (21) (2) 1883'
全試合 57 5160'
セリエA
第21節以降
(出場時間率:42.8%)
セリエA 11 (11) (2) 990'
UEFA CL 1 0 2'
イタリア杯 2 (2) 0 163'
合計 14 (13) (2) 1155'
全試合 30 2700'

 契約が2018年までであり、延長のオファーがあったとの報道はされていません。“左サイドで計算ができるバックアッパー” としての地位を確立させましたが、来季もユベントスでプレーするかは今夏の補強戦略次第と言えるでしょう。

 デ・シリオ選手のような “左右の両 SB でプレーが計算できる選手” がチームに加入すれば、リヒトシュタイナー選手とともに今夏でチームを離れる可能性は十分になります。

 ユーティリティー性を持った選手であり、獲得を希望するチームが現れないということはないと思われます。計算できる選手であるだけに去就を注目する必要があるでしょう。

 

ダニ・アウベス(34) :A-

 セリエA初年度の前半戦は適応に苦しみましたが、負傷から復帰後は適応し、評判通りの活躍を見せつけたシーズンでした。

表8:ダニ・アウベス選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2016/17 セリエA 19 (15) 2 (3) 1362'
UEFA CL 12 (11) 3 (4) 1001'
イタリア杯 2 (2) 1 180'
合計 33 (28) 6 (7) 2543'
全試合 57 5160'
セリエA
第21節以降
(出場時間率:55%)
セリエA 11 (8) 1 (2) 747'
UEFA CL 7 (6) 2 (2) 557'
イタリア杯 2 (2) 1 180'
合計 20 (16) 4 (4) 1484'
全試合 30 2700'

 契約は2018年までですが、「1年の延長を希望している」とメディアでは報じられています。“鉄人” と称され、運動量には定評のある選手ですから、延長オファーを提示する価値はあります。

 バルサ級の給与水準による延長オファーは非現実的ですが、現状の給与水準にチャンピオンズリーグ獲得時のボーナスを上乗せした形であれば適切と言えるでしょう。ポル・リロラ選手やスピナッツォーラ選手に技術を伝えて欲しいだけにチームに留まって欲しい選手と言えるはずです。

 

ステファン・リヒトシュタイナー(33) :B

 チャンピオンズリーグ・グループステージの登録メンバーから外れたものの決勝ラウンドからは復帰。リーグ戦でシーズンを通して活躍するなど持ち味を見せたシーズンとなりました。

表9:リヒトシュタイナー選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2016/17 セリエA 26 (22) 1 (3) 1868'
UEFA CL 1 (1) 0 73'
イタリア杯 2 (2) (1) 135'
SuperCoppa 1 (1) 0 120'
合計 30 (26) 1 (4) 2196'
全試合 57 5160'
セリエA
第21節以降
(出場時間率:41.1%)
セリエA 14 (11) (1) 993'
UEFA CL 1 (1) 0 73'
イタリア杯 1 (1) 0 45'
合計 16 (13) (1) 1111'
全試合 30 2700'

 契約は2018年までとなっており、今年も移籍の噂が絶えない夏となるでしょう。

 右 SB の序列はダニ・アウベス選手に次ぐ2番手。CB を本職とするバルザーリ選手を右 SB で起用する試合もシーズン後半戦では度々見られたため、SB (と WB)としてのみ評価されているリヒトシュタイナー選手の立場は危ういものと言えるからです。

 チャンピオンズリーグのベンチ入り可能選手が7枠であり、その2枠を SB 専門の選手が占めることは理想とは言えません。1枠を攻撃的な選手に割りあてるという点でも、厳しいポジション争いが待ち受けていると思われます。