2023/24 コッパ・イタリア準決勝セカンドレグが行われ、アウェイでラツィオと対戦したユベントスは 2-1 で競り敗けるも2戦合計 3-2 で上回り、決勝に駒を進めました。
両チームの先発した選手とフォーメーションは以下のとおりです。
SS Lazio [3-4-2-1] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 35: マンダス | 36: ペリン |
DF | 15: カザーレ 13: ロマニョーリ 34: ヒラ |
6: ダニーロ (C) 3: ブレメル 12: A・サンドロ |
MF | 23: ヒサイ 32: カタルディ (C) 8: ゲンドゥージ 77: マルシッチ |
27: カンビアーゾ 16: マッケニー 5: ロカテッリ 25: ラビオ 11: コスティッチ |
7: F・アンデルソン 10: L・アルベルト |
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FW | 19: カスティジャノス | 9: ヴラホヴィッチ 7: キエーザ |
ラツィオのトゥドル監督は 3-4-2-1 を選択。カタルディ選手とゲンドゥージ選手がダブルブランチを組み、CF にカスティジャノス選手が入る陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。GK はペリン選手が先発。ガッティ選手が出場停止の右 CB にはダニーロ選手が回り、左 CB でA・サンドロ選手が起用された以外はお馴染みのメンバーで試合に臨みます。
スコアが動いたのは12分。L・アルベルトが入れた左 CK をファーサイドのカスティジャノスがA・サンドロの上からヘディングシュートを突き刺し、ホームのラツィオが先制に成功する。
対するユベントスは23分に左サイドでの細かいパス交換から抜け出したキエーザが折り返してヴラホヴィッチがシュートを放つも、GK マンダスが左足に当ててブロック。
試合を殺したままにしたいユベントスだったが、35分に対応が遅れたロカテッリがカスティジャノスを倒してイエローカード。大会通算2枚目となり、決勝進出した場合の出場停止が確定してしまう。
その一方でラツィオは44分にL・アルベルトのスルーパスに反応したカスティジャノスが GK ペリンとの 1対1 の場面を手にしたが、この決定機はペリンが左足に当てる好守で阻んで追加点とはならず。
前半は 1-0 とラツィオのリードで終了し、2戦合計では 2-1 とユベントスが1点リードで勝負の後半45分を迎える。
後半で先にスコアを動かしたのもラツィオ。48分に右サイドのF・アンデルソンからのパスを受けたL・アルベルトがダイレクトでスルーパスを送ると、カスティジャノスがブレメルとダニーロのタックルに屈することなくシュートを流し込んで 2-0 とリードを広げる。
2戦合計でも追い付かれてしまったユベントスは55分にラビオのスルーパスからマッケニーが折り返してヴラホヴィッチが飛び込むもシュートは打つ寸前にブロック。ヴラホヴィッチは直後の57分に切り返しから右足で狙うもシュートは枠の左へと逸れてしまう。
一気に逆転したいラツィオだったが、前半からのハイペースによるガス欠感は否めず。L・アルベルトのロングシュートなど攻撃が散発的になってしまう。
次にスコアが動いたのは83分。コスティッチが左サイドから入れたクロスは流れてしまったが、逆サイドで回収したT・ウェアが GK と DF の間にシュート性のクロスを供給。これに DF の背後から動き出したミリクが合わせ、2-1 とユベントスが貴重な1点を手にする。
再び1点が必要となったラツィオだが、残された時間で追い付くことはできずに試合終了のホイッスル。セカンドレグは 2-1 でラツィオに軍配が上がるも、2戦合計 3-2 としたユベントスが決勝進出となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ペリン 6.0
先制点を許した場面では自ら飛び出してクロスに触れて欲しかったことは否めない。だが、44分に直面したカスティジャノスの決定機を自らの好セーブで阻んだパフォーマンスは秀逸だった。
DF: ダニーロ 5.0
ペリンの好守に救われるなどパフォーマンスは低空飛行のままだった。週1試合の出場ペースに留めた方が良かったのではなかろうか。
DF: ブレメル 5.5
心ここに在らずでトリプレッタを決められても不思議ではないほどカスティジャノスに苦しめられ続けた。
DF: アレックス・サンドロ 5.0
序列的に使わざるを得ないのだろうが、セットプレーで動きの駆け引きをするカスティジャノスに翻弄され強烈なヘディングシュートを叩き込まれる。その後は意気消沈の状態だった。
WB: カンビアーゾ 5.5
ストレスを溜め続けただけで個人的に得たもののない試合だった。L・アルベルトに高精度の中長距離レンジのパスを繰り出すエリアとして利用されたことが響いていた。
MF: マッケニー 5.5
序盤から猛攻を仕掛ける必要がなかったので攻撃参加を自重していたが、守備で効果的だったという訳でもなかった。消化不良の試合で存在感が薄かったことは否めない。
MF: ロカテッリ 5.5
ペースが上がらないチームの中心に今日もいた。厳しい試合の中で羅針盤として機能しないと外部からの新戦力にポジションを奪われかねない。
MF: ラビオ 6.0
時間の経過とともに中盤での存在感を増していた。ファーストレグでのパフォーマンスを1人だけ再現し、違いを生み出していたことが大きい。
WB: コスティッチ 5.5
ブレーキはかかっていなかったが、アクセルが機能している様子もなかった。鋭いクロスは時折見せていたものの試合全体を見渡した際のパフォーマンスは物足りなかった。
FW: ヴラホヴィッチ 5.5
ポストプレーでは安定してクオリティーを発揮したものの、ゴール前での冷酷さを見せ付けることはできなかった。評価はその点に集約される。
FW: キエーザ 5.5
時折見せる鋭い仕掛けはラツィオ守備陣を悩ませていたが、守備面での貢献など自らの仕掛け以外ではチームの足を引っ張る形になっていた。チームが残した結果に救われたに過ぎない。
【交代選手など】
WB: ティモシー・ウェア 6.5
70分にカンビアーゾとの交代で出場。パフォーマンスは微妙だったが、決勝進出を手繰り寄せるワンプレーでチームに貢献。中央ではなくサイドライン際を主戦場にしたプレーを心がけるべきだろう。
FW: ミリク 6.5
ヴラホヴィッチとの交代で81分から出場。クロスが自らの届くと信じた “自己犠牲的なフリーランニング” が最高の動き出しとなり、値千金のゴールでチームをコッパ・イタリア決勝に導く素晴らしい活躍を見せた。
FW: ユルディズ ー
81分にマッケニーとの交代で出場機会を得る。
MF: アルカラス ー
キエーザに代わって91分から出場する。
アッレグリ監督 5.5
ラツィオが準備していたと思われるセットプレーでの形で先手を取られ、前半の内に2戦合計でも追い付かれたかけた試合への準備は批判されるべきだろう。交代出場したミリクに窮地を救われた薄氷の勝利だった。運も実力の内だが、手放しに喜べない試合が続いていることは事実だ。
オルサート主審 5.5
主審としての判定基準は受け入れられるが、VAR との “冷戦” に突入しているので審判団としての評価は及第点に達することはない。平等な介入と公平な裁定ができない VAR は百害あって一利なしだ。