2016/17 シーズンの公式戦を終えたこともあり、ユベントスの選手・監督への評価を続けたいと思います。評価は A〜D の4段階で、Aが最高評価という扱いです。
最終回となる第4回の評価対象は FW です。なお、第1回目の GK・監督編はこちら、第2回の DF 編はこちら、第3回の MF 編はこちらです。
ファン・クアドラード(29) :B
右サイドからの攻撃という点でシーズン全体を通して様々なシステムでチームに貢献した1年となりました。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2016/17 | セリエA | 30 (21) | 2 (6) | 2098' |
UEFA CL | 12 (6) | 1 (1) | 585' | |
イタリア杯 | 3 (2) | (3) | 224' | |
合計 | 45 (29) | 3 (10) | 2907' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:64%) |
セリエA | 16 (14) | 2 (3) | 1169' |
UEFA CL | 7 (4) | (1) | 336' | |
イタリア杯 | 3 (2) | (3) | 224' | |
合計 | 26 (20) | 2 (7) | 1729' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
ローン移籍で加入していましたが、買い取りオプションが行使されたことで契約は2020年までとなりました。4-2-3-1 に意向してからも右サイドからのチャンスメイクという形で貢献しており、重要な選手の1人と言えるでしょう。
後半戦の出場時間率は64%。ウィンガーのポジションは攻守にハードワークが要求されることを考えると来季に期待される出場時間も同程度になると思われます。
好不調の波があり、不調に陥ると復調するまでに少し長引くといった時期があったことが気になりました。この点を改善することが求められることになるでしょう。
ゴンサロ・イグアイン(29) :A
ナポリから9000万ユーロの移籍金で加入し、チーム内得点王となるなど決定力をチームにもたらしたシーズンでした。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2016/17 | セリエA | 38 (32) | 24 (4) | 2967' |
UEFA CL | 12 (12) | 5 (1) | 1039' | |
イタリア杯 | 4 (4) | 3 | 360' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 120' | |
合計 | 55 (49) | 32 (5) | 4486' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:97.1%) |
セリエA | 19 (18) | 11 (3) | 1646' |
UEFA CL | 7 (7) | 2 (1) | 615' | |
イタリア杯 | 4 (4) | 3 | 360' | |
合計 | 30 (29) | 16 (4) | 2621' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
契約は2021年まで。出ずっぱりの状態でしたので、上手く休養を組み込み、キレを維持してシーズン終盤の重要な時期を過ごすことができるかが来季のテーマと言えるでしょう。
決勝戦など重要な試合では相手からの徹底マークを受ける立場にあります。「大一番に弱い」という汚名を返上するだけの働きができるかも注目点と言えるはずです。
マリオ・マンジュキッチ(31) :A+
CF としてプレーするも、シーズン途中から左サイドを主戦場とするウイングにコンバート。献身的なプレーを続け、戦術の肝として活躍したシーズンでした。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2016/17 | セリエA | 34 (28) | 7 (6) | 2485' |
UEFA CL | 11 (10) | 3 (1) | 914' | |
イタリア杯 | 4 (4) | 1 (1) | 360' | |
SuperCoppa | 1 (1) | 0 | 120' | |
合計 | 50 (43) | 11 (8) | 3879' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:84.2%) |
セリエA | 16 (15) | 3 (4) | 1373' |
UEFA CL | 7 (7) | 2 (1) | 630' | |
イタリア杯 | 3 (3) | 0 | 270' | |
合計 | 26 (25) | 5 (5) | 2273' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
シーズン後半戦で欠かせない戦力になっていたことを考慮すると、契約が2020年まで延長されたことは当然の結果と言えるでしょう。
ただ、激しい消耗が強いられるウィンガーとして出場時間率 80% 超は多すぎです。来季はウィンガーとしての出場時間率は7割弱に抑え、CF 起用の分を加えても 75% ほどに抑えることが求められます。
すべてを出し尽くしてくれる選手ですので、ガス欠状態でピッチに長く立たせておくことは避けるべきでしょう。このあたりの選手起用方法が来季のテーマになると思われます。
マルコ・ピアツァ(22) :B
怪我に祟られたシーズンと評することが適切と言えるはずです。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2016/17 | セリエA | 14 (3) | 0 | 448' |
UEFA CL | 4 (0) | 1 | 93' | |
イタリア杯 | 2 (0) | 0 | 34' | |
合計 | 20 (3) | 1 | 575' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:16.4%) |
セリエA | 8 (3) | 0 | 369' |
UEFA CL | 2 | 1 | 68' | |
イタリア杯 | 1 | 0 | 6' | |
合計 | 11 (3) | 1 | 443' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
若手選手の起用に慎重なアッレグリ監督の下、途中交代という形でセリエAへの適応が進んでいましたが、出場機会が増えるタイミングを前に怪我で戦線を離脱するなど運に見放されたシーズンでした。
契約は2021年まであり、優れた個人技を有していることは出場した試合で証明済みです。怪我からの復帰を目指す来季は周囲との連携面を向上させ、ゴール前での冷静さと決定力を示すことが課題となるでしょう。
4-2-3-1 がベースとなるであろう来季では出場機会は与えられるはずです。そのチャンスを活かす状態にまで回復しているかが注目点と言えるでしょう。
パウロ・ディバラ(23) :A
チームの攻撃を牽引し、“ユベントスのエース” としての地位を固めたシーズンだったと言えるでしょう。
大会名 | 試 | 得点 | 時間 | |
---|---|---|---|---|
2016/17 | セリエA | 31 (26) | 11 (8) | 2153' |
UEFA CL | 11 (10) | 4 | 797' | |
イタリア杯 | 5 (5) | 4 (1) | 367' | |
SuperCoppa | 1 (0) | 0 | 53' | |
合計 | 48 (41) | 19 (9) | 3370' | |
全試合 | 57 | ー | 5160' | |
セリエA 第21節以降 (出場時間率:80.9%) |
セリエA | 19 (16) | 7 (5) | 1337' |
UEFA CL | 7 (7) | 3 | 542' | |
イタリア杯 | 4 (4) | 3 | 305' | |
合計 | 30 (27) | 13 (5) | 2184' | |
全試合 | 30 | ー | 2700' |
シーズン中に契約を延長し、2022年までとなりました。攻撃陣を牽引する選手ですが、課題がない訳ではありません。「筋肉系の負傷で離脱していること」と「試合から消えてしまうこと」の2点を改善することが来季の課題と言えるでしょう。
フル出場が少なく、騙し騙しで起用されている状況であると考えられるため、起用しない試合を上手く作ることができるかが筋肉系のトラブルを予防する有効策になることが期待されます。
超一流の “潰し屋” が徹底的にマークする中で存在感を発揮することを求めることは非現実的です。周囲との連携などでマークを外した一瞬でどれだけ決定的な仕事を毎試合披露することができるかが評価の対象と言えるはずです。