『サッカーダイジェスト』がジャンルカ・ディ・マルツィオ氏の独占記事という形で「アッレグリ監督のユベントス退任」を何度か報じていますが、実際に起きる可能性はどのぐらい存在するのかを考察することにしたいと思います。

ビッグクラブの監督周期は3〜4年
資金力を持つビッグクラブの構図が固まったのはこの4、5年と言えるでしょう。長期政権を築いた監督は非常に限定的であるは明らかです。

4シーズン以上を現在も率いているのはアーセナルのベンゲル監督だけ。多くのビッグクラブでは「成績不振」を理由に監督が解任されるため、クラブが求める水準の成績を出し続けることは非常に困難になっている現実があると思われます。
また、3年契約を監督が締結し、クラブが1つのサイクルと見なしてシビアに査定する傾向が強まったことも長期政権が生まれにくくなった要因でしょう。
アッレグリが解任によってユベントスを離れる可能性
解任という形になる場合は「成績が伴わなかった時」が最も現実的です。
ただ、選手の特性を見極め、システムを試行錯誤する現実主義型の監督であり、リーグ戦での大崩れはほとんどないと言えるでしょう。資金力の点でユベントスに優位性があることを考えると、セリエAではタイトルを堅守できそうです。
そうなると、チャンピオンズリーグでの成績が1番比重の大きい査定項目になるでしょう。
しかし、ユベントスの資金力はヨーロッパで10番手。倍近くの資金を持つクラブがあり、真っ向勝負では分が悪い相手も存在するのです。
そのため、ユベントスのフロント陣がアッレグリ監督の解任に踏み切るのは「所属選手が引き抜きの対象であるクラブに対し、ジェノア戦のような内容で敗退が決定した場合」に限定されると思われます。
アッレグリが自ら退任を求める可能性
成績不振によってチームを離れないのであれば、契約期間を満了するか、自ら退任を申し出る場合のどちらかになります。
ユベントスより資金力を持つクラブは存在する訳ですから、“引き抜き” という形でクラブを離れるシナリオは十分にあります。その場合は引き抜く側のクラブ事情に左右されるため、「ユベントスでやれることは全部やり遂げた」という形を作り上げることが理想的です。
具体例をあげると、2009/10 シーズンにインテルを率いていたジョゼ・モウリーニョ監督でしょう。セリエA、コッパ・イタリア、チャンピオンズリーグの3冠を達成し、レアル・マドリードに引き抜かれました。このストーリーをアッレグリ監督が再現することもあるでしょう。
もしくは、アーセナルのような長期政権が続いていたクラブが新しい指揮官を求めた場合にアッレグリ監督が後任者として迎え入れられるというケースに限定されると思われます。
アッレグリが離れる可能性は(現時点で)ほぼゼロ
スーペルコッパの後にピッチ上でマロッタGMやパラティーチSDに激昂する様子がファンに撮られていたアッレグリ監督ですが、現状ではチームを離れる可能性はほぼゼロです。
解任されるような成績ではありませんし、ユベントスより資金力を持つクラブで監督解任の噂も皆無に近い状況だからです。
後半戦で大失速をするようなクラブが出て来れば、アッレグリ監督がユベントスを離れる可能性も上昇するでしょう。「ベンゲルファン」を公言するオーナーがいるアーセナルの監督人事がどうなるかが現時点での1番の注目事項です。
ユベントスとしては後任者をリストアップし、継続して追い続けるだけで十分と言えるはずです。本格的な絞り込みを行う必要は現時点ではなさそうです。