2021/22 シーズンの全日程が終了しましたので、アッレグリ監督およびフロント陣への評価を行いたいと思います。評価は A〜D の4段階、A が最高評価です。

■ アッレグリ監督 → D
2年ぶりにユベントスに復帰したアッレグリ監督ですが、成績は芳しいものとは言えません。なぜなら、『解任されるべき水準』を辛うじて上回る成績だったからです。
Serie A | UEFA CL | Coppa | ||
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目 標 |
理想 | スクデット | 優勝 | 優勝 |
現実 | 優勝争い | ベスト8以上 | 決勝進出 | |
及第点 | 4位 | 16強 | 4強 | |
解任ライン | 5位以下 | GS敗退 | 8強以下 |
ユベントスは勝利を義務付けられたクラブであり、監督は「トリプレーテ(=3冠)」を目標として匂わせます。
ただ、ヨーロッパでの力関係を考えると「チャンピオンズリーグのベスト8」など『現実的な目標』が達成されたかで評価されるべきでしょう。
それを踏まえても、アッレグリ監督が今シーズンに残した成績は不十分です。
セリエAで最高給を得ている指揮官だったにも関わらず、チームが残した成績は「解任を辛うじて回避するギリギリの成績」だったからです。来季は「アッレグリ監督とアニェッリ会長の進退を賭けたシーズン」にしなければならないでしょう。
■ フロント陣 → B
アリバベーネ CEO をトップにするフロント陣の働きは「上々」と言えるでしょう。ただ、これはトップチームよりも育成年代の成績による評価です。
- トップチーム → C
- U-23 → B
- プリマベーラ → B
トップチームは昨夏にロカテッリ選手を獲得し、1月の移籍市場ではヴラホビッチ選手を獲得。25歳未満で将来性のある選手を獲得して「若返り」を進めています。この方向性は評価されるべきでしょう。
また、育成年代では蒔いた種が芽吹いています。Bチーム(= U-23)はセリエB昇格を賭けた全国プレーオフ2回戦にまで駒を進め、プリマベーラ(= U-19)は UEFA ユースリーグ準決勝まで進出したことが理由です。
若手有望株は “生え抜き” として順調に育っていますから、育成プロジェクトが順調であることは評価されなければなりません。
したがって、来季以降は「クラブ内育成選手の資格を満たす若手有望株をトップチームに定着させる道筋を作れるか」がフロント陣への評価項目の1つとして加わることになるでしょう。
欧州トップの資金力を持つクラブや国家クラブとのマネーゲームで太刀打ちできる資金力は今のユベントスには備わっていません。そのことを踏まえた上で、チーム力を高める仕組みを機能させることができるのかに注目です。