パリ・サンジェルマンは11日、期待の若手であるジョナサン・イコネ(Jonathan Ikone)選手とプロ契約を締結したことを公式サイト上で発表しました。
プロ契約を締結していなかったため、ユベントスがコマン選手の再現を狙ってアプローチをかけていたのですが、PSGとプロ契約を結んだことにより、移籍騒動は収束に向かうことになりました。
UEFA ユースリーグでも存在感を発揮していた選手であるだけに、このニュースはユベントスにとって残念と言えるでしょう。しかし、「将来を嘱望される選手の1人を獲得できなかった」と割り切ることもクラブ経営には必要です。
ユベントスにしても、PSGにしても、チャンピオンズリーグ制覇の野心を隠していないクラブです。そのためにはトップレベルの選手をチームに迎えることと同時に、若手有望選手にもチャンスを与えるという難しいバランスを取ることが求められています。
クラブが求めるスキルを持った選手には「年齢に関係なく、一定のチャンスが与えられ、そこで結果を残せば、継続した起用が保証される」という道筋を提示し続けることができるかが課題となるでしょう。
イコネ選手は2019年までの契約を締結したことで、ユベントス入りは事実上なくなりました。ローン移籍で加入というシナリオはありますが、その可能性は低いと言えるでしょう。
イタリア版ホームグロウンルールの本格適用を考えると、ユース出身選手枠で苦労することになる可能性の方が高いからです。
そのため、EU域内での移籍が解禁となる16歳を迎えた選手を中心に勧誘やリクルートが活発化する流れになると思われます。ユベントスは『Jヴィレッジ・プロジェクト』の中にインターナショナルスクールの設置も盛り込んでいますので、その点も上手く活用できるかが鍵になるでしょう。
将来が嘱望される若手選手を発掘し、上手く育成し続けることがユースチームの運営には求められる時代になったため、その流れに適応することがクラブには求められているのだと思われます。