ローマのマウロ・バルディッソーニGDがクラブ公式ラジオで「ピアニッチ選手が自ら契約条項を行使し、ユベントス行きを希望している」と発言したと『コリエレ・デッロ・スポルト』が報じています。
リュディガー選手が思わぬ重傷を負ったこと、UEFA から FFP に抵触しているため、財務改善を求められていたという事情があり、ローマの周囲は不穏な空気が流れていました。
そのため、「財政難からピアニッチ放出」との噂が流れ、クラブに批判の矛先が向かっていたため、6月9日の時点で選手サイドから移籍の意思を伝える書面を受け取ったとバルディッソーニGDがクラブ公式ラジオで発言することとなったのです。
なお、ピアニッチ選手がローマに文書で通達した要点は以下のようなものでした。
- 他クラブに移籍する権利を行使することを希望する
- 移籍金の内、自分が受け取る権利である 20% については、獲得するクラブとの間で直接清算する
- そのクラブとはユベントスである
- ローマには手続きを完了させることを要望したい
公式ラジオでプライベートな文書を明らかにせざるを得ない状況は異様なことですが、選手がユベントス行きを決断しているのであれば、ユベントスにとってはプラスと言えるでしょう。
なお、ピアニッチ選手の獲得が目前に迫っていると見られるユベントスのマロッタGMは『トゥット・スポルト』に対し、次のようにコメントしています。
ジュゼッペ・マロッタGM:
「ピアニッチのオペレーションはユベントスへの移籍を望んでいた選手からの強いプッシュで収束するでしょう。ローマにもその旨を伝えていたようですからね。
選手自身が獲得する割合を放棄するという決断をしたことが取引を容易にしました。
したがって、ローマとユベントスの取締役間に交渉など存在しなかったのです。ただ、支払い方法を決めるための技術的な会合でした。
選手はすぐに私達のメディカルチェックを受けることになるでしょう」
トップ下とインサイドMFのどちらでも高いレベルでプレーできる実力者をほぼ確保できたことは大きいと言えるでしょう。また、セリエA屈指のFK能力を持った選手であることも軽視できません。
アディダス社のスパイクを着用している選手ですから、スポンサーも喜んでいると思われます。
マロッタGMはピアニッチ選手が20%の取り分を放棄したとコメントしていますが、実際には(達成のハードルが比較的容易な)インセンティブという形で支払う契約を用意しているはずです。アッレグリ監督が熱望するトップ下の獲得は目前に迫っていると言えるのではないでしょうか。