NO JUVE, NO LIFE!!

- FINO ALLA FINE - ユベントス関係のニュース記事を扱うサイト

ジラウド元 CEO が提起した訴訟の審理が終了、スポーツ司法制度の是非を問う判決は2024年5月までに出る見込み

 ユベントスのジラウド元 CEO が「カルチョポリで科された制裁に対する一般司法を用いた法的救済が不可能なのはおかしい」などと訴えていた行政訴訟の審理が終了したと『トゥット・スポルト』が報じています。

 判決は60日以内に出されるため、2024年5月中には明らかになると思われます。

PR

 

 現時点での時系列は以下のとおりです。

  • 2006年夏:カルチョポリでジラウド元 CEO などが実質的に永久追放
  • 2011年: FIGC がジラウド元 CEO の資格剥奪
  • 2020年: 欧州人権裁判所がジラウド元 CEO からの訴えを認める
  • 2023年7月: 「スポーツ司法は『EU法』の理念に反する」との訴えをローマ地裁が受理
  • 2024年3月: ローマ地裁での審理が終了

 ジラウド元 CEO 側の主張は「一般司法が “EU 法の意味する司法機関ではない” イタリア五輪委員会(CONI)やイタリアサッカー連盟(FIGC)の懲戒機関が科した処分を撤回できず」に「それによって個人が被った損害に対する『効果的な法的救済』が得られないのはおかしい」というものです。

 この主張に対し、行政裁判所がどのような見解を示すかが訴訟のポイントになります。

 

 ちなみに、被告(=スポーツ司法)側の主張は以下のものです。

  • 当局側の主張
    1. (ジラウド元 CEO の資格停止に伴う一般司法への控訴は)すでに時効
    2. 管轄権の欠如
      • 原告は最初から民事で争うべきだった
    3. イタリアの憲法裁判所で「スポーツ司法を定めた法律は欧州の法制度との矛盾はない」と審理済み

 EU 加盟国では『EU 法』が『加盟国の憲法』よりも優先されるため、今回の訴訟では「スポーツ司法の独立を定めた法律に問題はない」との主張が通用しません。

 だから、「時効を迎えた案件(なので門前払いにしろ)」や「民事で争わなかった(原告に落ち度がある)』などの弁明を試みているのです。

 

 ローマの行政裁判所で行われた審理は現地3月12日に終了。45〜60日ほどで判決が出されるため、2024年5月中にはイタリア国内での結論が示されることでしょう。

 現状では「本件を欧州司法裁判所に付託」する可能性が高いと思われます。その場合は『EU 基準』となるため、(時間はさらにかかりますが)ジラウド元 CEO の訴えが認められる流れになるでしょう。

 どのような結末となるのかに注目です。