2023/24 セリエA第27節が行われ、アウェイでナポリと対戦したユベントスはラスパドーリ選手に試合終了間際の決勝点を許し、2-1 で競り敗けました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
SSC Napoli [4-3-3] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 1: メレト | 1: シュチェスニー |
DF | 22: ディ・ロレンツォ (C) 13: ラフマニ 5: ジェズス 17: オリベイラ |
24: ルガーニ 3: ブレメル 12: A・サンドロ (C) |
MF | 99: アンギサ 68: ロボトカ 8: トラオレ |
27: カンビアーゾ 26: アルカラス 5: ロカテッリ 20: ミレッティ 17: イリング |
FW | 21: ポリターノ 9: オシムヘン 77: クヴァラツヘリア |
9: ヴラホヴィッチ 7: キエーザ |
ナポリのカルツォーナ監督は 4-3-3 を選択。予想された先発メンバー11人がそのまま名を連ねる布陣で大一番を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。ルガーニ選手を右 CB に回し、左ではA・サンドロ選手を先発に起用。左 WB もイリング選手を今季初先発とし、前線はヴラホヴィッチ選手とキエーザ選手の2トップで臨みます。
ナポリがポゼッションをする中で最初に決定機を作ったのはユベントス。10分にキエーザがオリベイラのクリアを身体に当ててカウンターを発動。クロスにヴラホヴィッチが頭で合わせるも、シュートは枠の右に逸れる。
対するナポリは27分にポリターノの鋭い FK から GK シュチェスニーの小さなファンブルを誘発。アンギサが押し込もうと詰めるも、シュチェスニーが素早くボールを抑えて難を逃れる。
ユベントスは34分にA・サンドロからの縦パスを引き出したキエーザからのスルーパスに合わせて抜け出したヴラホヴィッチが左足で浮かせたシュートも右ポストを直撃。チャンスをまたも逸してしまう。
すると42分にナポリは右サイドから入れたクロスがブレメルにヘディングでクリアされてしまったが、このボールをファーサイドで待っていたクヴァラツヘリアが右足でダイレクトボレー。このシュートが決まり、ナポリが先制に成功する。
ユベントスは45分にルガーニが GK メレトからの縦パスを受けようとしたトラオレにプレスをかけてボールロストを誘発。チャンスボールがヴラホヴィッチに転がり込むも、シュートはクロスバーの上。前半はナポリが1点のリードを持って折り返す。
後半もヴラホヴィッチにボールを集めるユベントスは50分にミレッティからのラストパスを受けたヴラホヴィッチが左足で狙うも GK メレトの正面。一方のナポリは追加点こそ奪えずも、ユベントスにチャンスを与えず時計の針を進める。
攻めあぐね続けたユベントスだったが、81分に右サイドに陣取ったキエーザがアルカラスとのパス交換でペナルティーエリアまで侵入すると右足での低くて鋭いシュートをゴール左下に突き刺して 1-1 の同点に追い付くことに成功する。
だが、84分にペナルティーエリア内でボールを収めたオシムヘンの右足をノンジェが踏み付けて倒してしまい PK を献上してしまう。このオシムヘンの PK はシュチェスニーが阻んだものの、こぼれ球をラスパドーリが押し込んで 2-1 とナポリが勝ち越しに成功。ユベントスは再びビハインドとなる。
ユベントスは92分にユルディズが左サイドから入れたクロスを合図にゴール前での混戦を作り出すも、鋭いクロスにルガーニが左足で合わせたシュートは枠の上。試合は 2-1 で終了し、ナポリに軍配が上がった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
枠内シュートを浴び続けた中で奮起。オシムヘンの PK も阻むなどベストは尽くしていた。2失点はどちらも止むを得ないものだった。
DF: ルガーニ 6.0
2試合連続でのヒーローにはなれなかったが、DF として状況に応じたやるべき地味なプレーを着実に遂行していたパフォーマンスは評価されるべきだ。
DF: ブレメル 6.0
1年前に惨敗を喫したオシムヘンと互角に渡り合ったことが成長の証。攻撃陣と噛み合っていれば、評価はもっと高かっただろう。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
攻守で光り輝く秀逸なプレーはあったが、それ以外の場面では相手に睨みを効かせられなかったことがマイナス。どちらに重きを置くかで評価は割れるだろう。
WB: カンビアーゾ 5.0
攻勢時の貢献度は高いが、守勢時に狙われると脆さを隠し切るのは難しい。対戦相手がクロス攻撃を選択する機会が増えており、対応力を上げなければならない。
MF: アルカラス 6.0
初先発でタフさをアピール。的確なポジショニングを続けていたが、周囲からのサポートが少ないことで苦戦を強いられた。
MF: ロカテッリ 5.5
前線 FW 陣とのバランスを確立することに苦心し、組み立てに迷いがあるような印象を受けた。レジスタとしてチームを統率し切れないようだと伸び悩むことになるだろう。
MF: ミレッティ 6.0
“ファジョーリの代役” として奮闘していた。フィジカル的に狙われると厳しい部分もあったが、ナポリが別ルートで攻撃を仕掛けてくれる幸運にも恵まれた。
WB: イリング 5.5
積極性でアピールを試みる姿勢は素晴らしい。両チームの戦力的な関係を踏まえて意図的に CK を獲得する強かさをアピールできていれば評価はさらに上がっていただろう。このことを教訓にすれば良い。
FW: ヴラホヴィッチ 4.5
エースがあれだけ決定機を外し続けたのだ。結果を持ち帰れなかったことに何の不思議もない。累積警告で次節アタランタ戦は出場停止だが、そこでリフレッシュできるかが問われることになる。
FW: キエーザ 6.0
一時同点に追い付く貴重なゴールは決めたが、守備のサボりが “空砲” で正当化されるビッグクラブは存在しないだろう。
【交代選手など】
WB: ティモシー・ウェア 5.5
カンビアーゾとの交代で65分から出場する。攻撃時のアクセントになることもなければ、デュエルの力関係に変化を及ぼすこともなかった。
MF: ノンジェ 4.5
75分にイリングに代わって出場。試合の決勝点となる PK を献上してしまったが、軽率なプレーをしたことを含めて止むを得ないだろう。トップチームでのプレー経験が極端に乏しい18歳なのだから。
FW: ユルディズ 6.0
ミレッティとの交代で75分から出場機会を得る。同点を狙って攻撃を仕掛けたが結果を手にするだけの時間がなかった。
DF: ダニーロ ー
90分にノンジェとの交代で出場する。
FW: ミリク ー
90分からアルカラスに代わって出場機会を得る。
アッレグリ監督 5.5
ナポリに対して防戦一方になるのは想定内だが、その状況下で 4〜5 回の決定機を作り出したことはチームとして評価されるべきだろう。それらの決定機を逸した責任は出場していた選手にあって監督にはないからだ。
マリアーニ主審 6.5
VAR でオシムヘンの足が明らかに踏まれていたことが確認できたのだから PK の判定は妥当。第27節は審判団に厳しい視線が向けられたが、プレッシャーがかかる状況下で的確なレフリングを見せたことは大きい。