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ユベントスの収支状況: 2023/24 シーズン前期

 ユベントスが公式サイト上で 2023/24 シーズン前期の決算を発表し、上半期だけで9510万ユーロの赤字を計上したことが明らかになりました。本稿では売上高や事業費などの細かい内容を取り上げたいと思います。

 収支の詳細は下表のとおりです。

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表1:収支報告【2023年7月〜2023年12月末日、単位:ユーロ】
項目 2023/24
【前期】
2022/23
【前期】
チケット販売 24,657,074 28,487,964
テレビ・ラジオ放映権
およびメディア収益
47,305,751 94,556,972
スポンサー/広告収益 66,447,750 75,561,833
製品・ライセンス販売 15,162,961 15,979,900
選手登録権益 17,338,928 42,779,232
他の収益 19,718,801 18,875,431
総収益 190,631,265 276,241,332
用具/サプリ等購買費 (3,635,864) (3,244,958)
販売用製品購買費 (6,401,723) (6,584,260)
外部サービス (37,507,449) (44,741,284)
選手年俸/スタッフ費用 (128,174,611) (131,338,337)
他の人件費 (12,213,528) (12,868,853)
選手登録権への費用 (10,408,450) (4,903,645)
他の支出費用 (7,211,862) (6,965,655)
総事業費用 (205,553,487) (210,646,992)
選手登録権の償却/評価損 (60,104,528) (74,578,661)
有形/無形資産の償却 (6,762,461) (7,556,567)
引当金 (867,433) (2,537,848)
営業利益 (82,656,644) (19,078,736)
金融利益 1,874,629 1,819,640
金融費用 (12,765,011) (8,621,480)
JV費用 190,890 13,230
税引き前利益(損失) (93,356,136) (25,867,346)
当期税金 (1,746,752) (3,733,870)
繰越税金 (30,516) 116,521
当期利益(損失) (95,133,405) (29,484,696)

 

 『総収益』は前年同期から 8560 万ユーロの減少となりました。これは「UEFA 主催大会への不参加」によってチケット代・放映権料・スポンサー料が約6000万ユーロ、『選手売却益』が 2550 万ユーロの減少を記録したことが理由です。

 「UEFA 主催大会への不参加」による収入の減少は昨季(= 2022/23 シーズン)終了時点で予想されたことです。『選手売却益』は移籍交渉次第の “水物” ですから、この項目の収入額が上下動することは問題にはならないでしょう。

 

 一方で深刻なのは『選手年俸/スタッフ費用』の削減が捗らなかったことです。

 昨季のチームからはボヌッチ、クアドラード、パレデス、ディマリアの4選手が退団。代わりにT・ウェア選手や下部組織から若手選手が加わった「若いチーム編成」となりました。

 2023/24 シーズン前期の『選手年俸/スタッフ費用』は「(前年同期よりも少なくとも2000万ユーロ超の削減を見込んで)1億ユーロ強」が予想されていましたが、実際には「1億2817万ユーロ」と322万ユーロの減少に留まりました。

 『2023/24 シーズンのチーム』は “経験値の少ない若手選手” がトップチームに占める割合が高まったにも関わらず、チームの総年俸は『チャンピオンズリーグ出場を前提に編成された 2022/23 シーズンのチーム』と比較して -2.4% だったのです。

 “不祥事で離脱中のポグバ選手への年俸支払いを実質的に止めた状態” での『選手年俸/スタッフ費用』が「前年同期よりも322万ユーロの減少」なのであれば、「昨シーズンよりも微増」が実態となります。

 チーム内に動揺が走るのは当然ですし、クラブ上層部への不信感から疑心暗鬼の状態に陥ることは避けられないでしょう。

 

 来季(2024/25 シーズン)に「選手層を厚くするための補強」をしたくても、『昨季と変わらない人件費(≒チーム総年俸)』を費やしている “今季の現状” が予想以上の足枷になっている状態です。

 チームへの逆風がシーズン前半戦よりも強まることが確定した中で経営陣がどのようなサポートをするのかにも注目です。