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「ニコルッシの存在でユベントスの補強戦略が変わるかも」とガゼッタ・デッロ・スポルトが報じる

 ガゼッタ・デッロ・スポルト』が先日のイタリア・ダービーに先発したニコルッシ選手の存在がユベントスの補強戦略を変える可能性があると報じています。ただ、そうなる可能性は低いと思われます。

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 ガゼッタ紙の記事は「ニコルッシが『ロカテッリの控え』として評価を得たのであれば2024年1月の移籍市場でK・フィリップスらを獲得する必要性が減少する」というものです。

 この主張には無理があるでしょう。2023年夏に中盤 MF 陣で枠が空いていたのは『控えレジスタ』の1枠だけであり、複数の若手有望株がユベントスを離れることになったのです。

  • 2023年夏の移籍市場でユベントスを離れた若手レジスタ:
    • 出場機会に不満を募らせる可能性が懸念
      • ロヴェッラ(21)→ ラツィオに移籍(買取義務が付随)
    • セリエAでの実績が不足と判断
      • ラノッキア(22)→ エンポリに期限付き移籍
      • バッレネチェア(22)→ フロジノーネに期限付き移籍

 この状況でニコルッシ選手はユベントスに残ったのですから、『控えレジスタとしての貢献度』が期待されての判断がある程度は働いたものと思われます。

 

 また、2024年1月の移籍市場で中盤 MF の補強を敢行するにしても『主力』の立場が大きく揺らぐ事態にまでは至っていません。

  • 2023/24 シーズン開幕前の中盤 MF 陣の事情
    1. 中盤は3人で構成するフォーメーションを採用
    2. 基本的に週1試合(= 主力に匹敵する控え選手の必要性は少ない)
    3. ラビオとロカテッリは『絶対的なレギュラー』
    4. ファジョーリとミレッティが『右インサイドハーフ』のレギュラーを争う構図
    5. “復活を期すポグバ” も在籍

 ポグバ選手とファジョーリ選手の不在は確かに痛手ですが、中盤 MF の補強に乗り出すのは「ラビオ選手かロカテッリ選手が負傷で月単位の離脱を強いられた場合」に限定されるでしょう。

 2023/24 シーズン後半戦ではデ・シリオ選手の復帰が期待されているため、マッケニー選手を『中盤 MF』に戻すことで中盤 MF 陣に厚みを持たせることが可能になるからです。

 

 ニコルッシ選手は守備時の課題として「手を使って引っ張ることで相手選手の突破を止めようとする」という悪癖があり、「足を使って守る」には『実戦での出場機会』よりも『練習』の方が修正が効く場合もあります。

 “練習で課題を克服することで目に見える成長を遂げる選手” は今季のチーム事情では重要なだけに「若手選手の今後の起用方法」で補強戦略が変わってくることになるでしょう。