ユベントスは公式サイト上で 2022/23 シーズンの株主総会が行われ、1億2300万ユーロの赤字となった当期決算や最大2億ユーロなどの増資が承認されたと発表いたしました。
現地2023年11月23日に開催されたユベントスの株主総会で承認された主要項目は以下のとおりです。
- 2022/23 シーズンの1億2300万ユーロの赤字決算
- 最大2億ユーロの増資
- 約1億3000万ユーロは親会社 Exor が拠出
- その内の8000万ユーロは拠出済み
- 『発行済み株式10株』を『新規株式1株』で株式併合
- 監査役会に2名の補欠監査役を選出
- 監査役: マリア・ルイザ・モスコニ
→ 補欠監査役: ステファニア・ベットーニ - 監査役: ロベルト・ペトリニャーニ
→ 補欠監査役: グイド・ジョヴァンド
- 監査役: マリア・ルイザ・モスコニ
親会社である Exor が『株式会社ユベントス・フットボールクラブ』の発行済み株式 63.8% (※ 議決権ベースだと 77.9%)を抑えているため、事前に「親会社の承認」を得ていれば株主総会が紛糾することはありません。
よって、『2022/23 シーズンの決算内容』と『最大2億ユーロの増資』が株主総会で承認されるのは既定路線と言えるでしょう。
今回の株主総会でのニュースは「株式併合が行われたこと」と「補欠監査役が選出されたこと」の2点です。
ユベントスは発行済株式の総数が(複数回の増資もあり)約25億株になっていました。これを『発行済み株式10株』を『新規株式1株』に転換したことで、発行済株式の総数は約2億5000万株へと減少することになります。
株式併合が行われたとしても株式の資産価値は不変ですが、“株式保有数が条件になっていることが多い株主提案” のハードルは高くなることが一般的です。
ユベントスでは “少数株主” として登壇した元 GM のルチアーノ・モッジ氏が「カルチョポリの全容はこの USB メモリにある」との演説を行なったこともあり、こうした行動を現経営陣が嫌ったことも株式併合が行われた要因の1つと思われます。
補欠監査役の選出は監査役が(本業との兼ね合いで)職務遂行に支障が生じるケースに備えてのものでしょう。こちらは経営に対する影響度としては軽微と見なして問題ないはずです。
経営再建を1歩ずつ着実に進めて行くことを選択したユベントスが 2023/24 シーズンに「経営計画どおりの業績」を残すことができるのかに注目です。