『スカイ・イタリア』によりますと、ユベントスが発表した「2億ユーロの増資」は 97.6% が引き受けられたとのことです。残りは4月3日付で株式市場にリリースされることになるため、増資はほぼ完了したと言えるでしょう。
2023/24 シーズン上半期に正式発表された「2億ユーロの増資」は以下のような割り当てとなりました。
- 総額: 2億ユーロ
- 親会社 Exor: 1億2760万ユーロ
- 保有株の割合(63.8%)に応じて引き受け
- 運転資金として前期の時点で注入済み
- 必要なら残り7240万ユーロも引き受けると表明
- 今回の公募: 6760万ユーロ
- 残り: 480万ユーロ
- 4月3日付で株式市場にリリース
- 親会社 Exor: 1億2760万ユーロ
ユベントスは 2023/24 シーズン前期で9510万ユーロの赤字を計上。今回の増資で得た2億ユーロは「運転資金がショートしないための穴埋め」に大部分が使われることになるでしょう。
「移籍市場での補強資金に回す余裕も少しはある」との見立てはクラブのコスト体質的にも誤っていると言わざるを得ない状況と思われます。
ユベントスは2024年2月に『1億7500万ユーロ分の非転換社債』を償還しており、『2億ユーロの増資』はそのための資金として “使われた” と考えられます。
それ以外だと『(インテルのように)社債の借り換え』が現実的な唯一の選択肢になるからです。
ユベントス・フットボールクラブは本業での業績を示す『営業活動におけるキャッシュフロー』が慢性的に赤字となっており、親会社から「持続可能な経営を(=企業活動に必要な資金を自力で調達せよ)」と厳命されているのです。
今回の増資は「新型コロナによって収入が途絶えたことに端を発する『財務活動におけるキャッシュフロー』の帳尻を合わせること」が目的と思われるため、一部のメディアが期待する移籍市場での補強資金に転用することはないでしょう。
ユベントスの経営陣や現場責任者が『本業の立て直し』で成果を残すことができるのかにも注目です。